はじめに:確定申告という“見過ごされてきた負荷”
株式会社タックスナップ(東京都杉並区 代表取締役CEO 田中雄太)が提供する確定申告アプリ「タックスナップ」は、個人事業主や副業層にとって長年避けがたかった「確定申告」という行為そのものを、再設計の対象として捉えている点に特徴がある。
確定申告は制度としては成熟している一方、実務体験の面では「面倒」「難しい」「不安」という感情が常につきまとう。特に個人で働く人々にとっては、年に一度、あるいは日々の記帳の積み重ねが、本業の時間と心理的余裕を奪う構造的な負担となってきた。
タックスナップの取り組みは、単なる会計ソフトの改良ではない。ZEROICHI編集部が注目したのは、確定申告を「努力や我慢で乗り切るもの」から、「意識せずに処理できる生活インフラ」へと転換しようとする思想そのものである。
個人事業主の増加と、制度疲労の顕在化
近年、個人事業主や副業人口は増加を続けている。働き方の多様化が進む一方で、税務・会計領域の支援体制は必ずしもそれに追いついていない。税理士の高齢化や人材不足、費用面のハードルなどにより、「頼りたくても頼れない」状況が生まれている。
結果として、多くの個人事業主は、確定申告を「後回しにしたいが避けられない作業」として抱え込むことになる。ここには、制度そのものではなく、体験設計の歪みが存在している。
タックスナップは、この歪みに対して「頑張らなくていい確定申告」という明確なメッセージを掲げた。これは利便性の訴求にとどまらず、個人の時間と集中力をどこに使うべきか、という価値判断を含んだ提案である。
「丸投げ仕分け」が示す体験設計の転換
タックスナップの中核機能である「丸投げ仕分け」は、経費処理を高速化する技術的特徴として語られがちだが、本質はそこではない。金融機関と連携し、支出データをもとにAIが経費判定や勘定科目を提示するこの仕組みは、「人が考え続ける前提」を崩す点に意味がある。
これまでの会計ソフトは、「正しく入力できる人」を前提に設計されてきた。タックスナップはその前提を疑い、「考えなくても進む」「迷わなくて済む」状態を目指している。ここには、操作性の改善以上に、確定申告という行為の心理的負荷を取り除こうとする意志が読み取れる。
不安を可視化し、保証するという選択
もう一つの特徴である「税務調査リスクチェック」機能も、単なる付加機能ではない。確定申告における最大の不安は、「間違っていないか分からない」という点にある。タックスナップは、職種ごとの傾向データと照合することでリスクを可視化し、さらに条件付きではあるが返金保証まで踏み込んでいる。
これは、ツール提供者が「結果」に一定の責任を持とうとする姿勢の表れである。ZEROICHI編集部としては、この点に、ソフトウェア企業から“生活インフラ提供者”へと立ち位置を広げようとする意思を感じた。
会社情報
企業名:株式会社タックスナップ
代表取締役:田中 雄太
設立:2022年11月11日
所在地: 東京都杉並区荻窪5-12-2
URL:https://taxnap.co.jp/
ZEROICHI編集部が注目点
本件を取り上げた理由は、タックスナップが「確定申告を楽にするアプリ」だからではない。注目したのは、個人で働く人々が抱える時間的・心理的コストを、技術と設計によって削減しようとする構造的な挑戦である。
確定申告は、誰かにとっての「当たり前の負担」であるがゆえに、改善の余地が見過ごされてきた領域でもある。タックスナップは、その前提を疑い、「本業に集中できる余白」を社会に取り戻そうとしている。
これは会計領域の話にとどまらず、個人経済インフラ全体の再設計につながる可能性を持つ動きである。ZEROICHI編集部は、その現在地を示す事例として、本件を取り上げた。
おわりに:確定申告の先にあるもの
タックスナップが描くビジョンは、確定申告の効率化で終わらない。個人が時間的・経済的・心理的な余裕を持つことで、働き方や生き方の選択肢が広がる。その入口として、確定申告という最も摩擦の大きい体験を選んだ点に、このプロダクトの戦略性がある。
確定申告を「頑張るもの」から「気づいたら終わっているもの」へ。その転換が社会に定着したとき、個人で働くことの意味合いそのものが、静かに変わっていくのかもしれない。
■原文リリース(参照)
原文リリース発表日付:2026年1月14日
タイトル:頑張らなくていい確定申告アプリ「タックスナップ」がシリーズAラウンドにて総額13億円の資金調達を実施
原文リリースのURL:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000122860.html
※本記事は、原文から一部編集・要約して掲載しています。
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