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DeNAが挑戦する“無人自動運転車” 「ロボットシャトル」とは?【その3】

堀江貴文氏は6月5日、DeNAを取材。無人自動運転車の「ロボットシャトル」について話を聞いた。(初回配信日:2017年6月13日)

都心部は将来、自動運転車以外は進入禁止に

堀江 DeNAさんはWELQとかの問題があったにせよ、こういう自動運転などの事業に積極的に投資しているのはすごいと思うんです。他のIT企業とかはあんまり熱心じゃないですよね。

隅本 まあ、そうですね(笑)。

堀江 「楽天」とかはやらないんですかね。だって、物流とかに使えるからど真ん中じゃないですか。

隅本 ただ、ネットサービスなどに比べて、あらゆる面で“重い”分野だとは思います。予算的にもそうですし、人の命を預かるサービスですし、事業化されるまでの年月が長いですから。

堀江 確かに“重い”分野だとは思います。でも、さっきのAIの話じゃないですけど、人間が運転するよりも交通事故などで死ぬ人を減らすことができるわけじゃないですか。それが自動運転の使命でもある。社会的な意義は大きいですよね。

隅本 そうですね。

堀江 僕は理想としては、公道で自動運転車以外は禁止にすべきだと思っているんです。

隅本 お互いが通信で接続されている状況であれば、事故の回避も期待されますね。

堀江 その通り。

町野 一番難しいのは、人が運転する車と自動運転車が混在する状態なんです。

堀江 僕は、そのあたりはウエアラブルデバイスやスマートフォンなどとの連携で可能になるのかなと思っています。スマホも粗いですけどGPS機能を持っていますから。つまり、自分の位置情報を他の自動運転車に伝えられる。

隅本 まさしく今、そういったデモを九州大学でやっていて、スマホの位置情報と車両の位置情報がある程度近くなったら、ブルッとするというのをNTTドコモさんと一緒に研究を進めようとしています。

堀江 これは単純に言ったら、衝突事故を防げばいいわけですよね。だったら、人がたくさんいるところはゆっくり走るとか、周りに人がいなくなったら速く走るとかでいいんじゃないですかね。

町野 例えば、ノルウェーのオスロは「都市の中心部は自家用車の乗り入れ禁止」みたいになっています。そういった考え方の延長で一部エリアで自動運転車以外は進入禁止というのはありえますよね。

堀江 そうですね。僕はそういった動きは意外と早いと思っています。今、公道で馬に乗っている人ってほとんどいないじゃないですか。それと同じように「え、まだ人が運転する車に乗ってるんだ」「危なくないの?」みたいな話になってくると思うんです。だって今、高齢者が運転する車の事故が問題になってるじゃないですか?

町野 そうですね。私たちも高齢者の方に自動運転車に乗っていただいているんですが、「今はまだ自分の運転で近所のスーパーなどに行けるけれど、5年後はどうだからわからない。だから自動運転には期待している」という声が結構あります。

堀江 そうでしょうね。

その4に続く

Robot Shuttle(ロボットシャトル)とは?

DeNAがフランスのEasyMile社から国内に導入し、2016年8月にスタートした無人自動運転車両サービス。無人運転やAIなどの先端技術を活用して、新たな交通システムを創り出す。