人的資本経営が見落としてきた局面
株式会社COCOROコンサルティング(群馬県北群馬郡 代表取締役 山本文江)は、人的資本経営における未定義領域である「退職データの戦略資源化」に関する提言を発表した。本提言は、2026年1月に発表された退職DXサービス「YAMEMASUU(やめます)」の第1稿に続く、第2稿に位置づけられている。
近年、日本企業における人的資本経営は、採用、定着、育成、パフォーマンス、健康、エンゲージメントといった「入社から在籍」に関わる領域を中心に議論が進んできた。一方で、人的資本を構成する重要な局面であるはずの「退職(離脱)」については、データ化や分析がほとんど行われてこなかったという現状がある。
同社は、この偏りこそが人的資本経営の構造的な盲点であると指摘する。
退職は組織の「本音」が最も露出する瞬間
退職という局面には、個人の意図、感情、不一致、摩擦、文化、価値観といった、組織の深層に関わる情報が凝縮されている。しかし現実には、退職理由は本人によって正当化や整形が行われ、企業側は表層的な説明のみを受け取るケースが多い。
結果として、企業は退職の背景にある本音層を観測できないまま人材の離脱を迎え、その原因を十分に検証できない状態が続いてきた。株式会社COCOROコンサルティングは、この構造が人的資本経営における「地下配線」を見えなくしていると捉えている。
「出る」局面を持たない人的資本経営の限界
人的資本は本来、「入る」「滞在する」「出る」という循環全体で評価されるべきものである。しかし、「出る」局面のデータが欠落していることで、採用や定着の判断ミス、配置のズレ、マネジメント不全、文化摩擦、心理的安全性の欠如といった問題が可視化されにくくなっている。
同社は、退職データを欠いたままでは、人的資本経営が部分最適にとどまり続ける可能性があると指摘する。
退職を「損失」ではなく観測点と捉える発想
こうした課題に対し、同社が提示するのが、退職を単なる損失ではなく「人的資本データの観測点」として再定義するアプローチである。退職時に得られる本音層の情報は、定着率の改善、再配置、マネジメントの見直し、採用要件の調整、組織文化の理解、アルムナイ形成など、複数の経営領域に接続し得るという。
この考え方の中核を担うのが、退職DXサービス「YAMEMASUU」である。
第三者介在によって初めて取得できる本音層
退職時の本音層は、本人が企業に直接開示しにくい構造を持つ。そのため、同社は本音層の取得には第三者の介在が不可欠であるとする。
「YAMEMASUU」は、正当化や説明を求められず、責められることのない環境、匿名性、第三者仲介という条件のもとで退職者の本音を生成し、それをデータとして整理する仕組みを採用している。この設計は、退職理由を「説明させる」ものではなく、「承認する」ものとして扱う思想に基づいている。
退職は「理解」ではなく「承認」の領域である
退職理由はしばしば、非合理的で説明困難な感情を含んでいる。企業がそれを合理的に理解しようとするほど、本人は防衛反応を強め、本音が隠れてしまう。株式会社COCOROコンサルティングは、この点に着目し、退職を「理解」ではなく「承認」の対象と位置づけている。
この思想は、退職データを経営改善に活用するうえでの前提条件ともいえる。
企業概要
株式会社COCOROコンサルティング は、退職DXプラットフォーム「YAMEMASUU(やめます)」を中心に、人的資本経営・組織開発・退職領域における新しいデータモデルの創出に取り組むコンサルティング企業。
企業名:株式会社COCOROコンサルティング
本社所在地:群馬県北群馬郡吉岡町下野田1069-5
代表取締役:山本 文江
企業URL:https://www.cocoro23.com/
ZEROICHI編集部が注目点
ZEROICHI編集部が本件に注目した理由は、人的資本経営の議論が抱えてきた構造的な欠落に対し、「退職」という切り口から具体的な問題提起が行われている点にある。
人的資本開示や人的資本投資が注目を集める一方で、「人がなぜ去るのか」という問いは、これまで十分に扱われてこなかった。本リリースは、その未定義領域を戦略資源として捉え直そうとする試みであり、人的資本経営の射程を拡張する示唆を含んでいる。
人的資本経営を循環として捉え直すために
同社は今後、退職データの標準化と人的資本開示領域との接続を進め、退職を人的資源の観測点として扱う社会設計を目指すとしている。「入社から退職まで」を一つの循環として捉える視点は、人的資本経営の成熟に向けた一つの方向性を示しているといえる。
■原文リリース(参照)
原文リリース発表日付:2026年2月2日
タイトル:人的資本経営の最大の盲点は“退職”にある。離脱データを人的資本に変換する退職DX『YAMEMASUU』が人的資本領域に参入
原文リリースのURL:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000174265.html
※本記事は、原文から一部編集・要約して掲載しています。
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