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1頭の命と1人の人生を救う「やさしさのインフラ」福祉型保護犬猫カフェ「ANELLA CAFE」が1.55億円を調達、全国展開を加速

障がい者就労支援と保護動物の新しい出会いを融合した唯一無二のビジネスモデル
福祉型保護犬猫ふれあいカフェ「ANELLA CAFE(アネラカフェ)」を運営する株式会社ANELLA Group(本社:東京都世田谷区、代表取締役:伊東大輝)は、シリーズAラウンドにおいて総額1.55億円の資金調達を実施したと発表した。

これにより、同社の累計資金調達額は3.4億円となり、フランチャイズ事業の全国展開、ならびに人材・施設・デジタル基盤の強化を本格的に推進していく方針である。

「福祉×保護動物」融合モデル

ANELLA CAFEは「1頭を救っても世界は変わらないが、その1頭の世界は永遠に変わるだろう」というミッションを掲げている。就労継続支援B型事業とカフェ事業を融合させた独自のモデルで、障がいのある方の社会参加と、行き場を失った犬猫の新しい家族探しを同時に支援する。

動物保護は寄付や募金だけでは継続が難しいのが現状だが、同社は就労支援を組み合わせることで高い収益性を実現している。これにより、就労支援B型事業の国からの給付金と、カフェ事業の入場料や物販などの売上を組み合わせた「W収益源」を確立し、安定した高収益を可能とした。FC募集を開始してから既に50施設超の開所が決定しており、その唯一無二のモデルが注目を集めている。

調達資金の使途と今後の展望

今回調達した資金は、以下の重点領域に活用される。

  • 本部保護施設(シェルター)の拡張: 常時1,000頭規模の保護動物を受け入れ可能なシェルターの増設を行う。
  • FC店舗サポート体制の強化: 全国展開を支えるSV(スーパーバイザー)スタッフの採用・教育を推進する。
  • デジタル基盤の強化: 個体ごとの医療・行動・譲渡管理を支えるデータベースの高度化を図る。
  • 広告宣伝の強化: 保護犬猫の認知向上と譲渡促進に向けた広告予算を拡充する。

代表取締役の伊東大輝氏は、「命にやさしく、誰もが尊重され、社会とのつながりを実感できる—そんな“やさしさのインフラ”を全国につくる挑戦」をミッションに掲げている。

会社概要

会社名 :株式会社ANELLA Group (旧:株式会社DT)
設立 :2017年11月
資本金 :1億8633万円(資本準備金含む)
店舗数 :50店舗 ※出店準備中含む
事業内容:福祉型保護犬猫ふれあいカフェ「ANELLA CAFE」の企画・運営/フランチャイズ本部 /就労継続支援B型事業/保護犬猫活動及び施設の運営/飲食店の運営/民泊施設の運営
URL :https://anella-group.co.jp/

ZEROICHI編集の注目点

本記事は、「社会課題解決」というテーマを、「持続可能なビジネスモデル」へと昇華させている構造に注目した。

動物保護や就労支援といった社会課題は、とかく寄付やボランティアといった「善意」に依存しがちである。しかし、ANELLA CAFEは「動物保護」と「就労継続支援」という異なる二つの事業を融合させ、収益性と事業継続性を同時に確保している。これは、「ビジネスとして成立しなければ、社会課題は根本的に解決できない」という、極めて現実的な構造思考の現れである。

特に、「動物保護は参入不可能な領域」という課題に対し、就労支援の給付金を収益の柱の一つとして組み合わせることで、参入障壁を下げた点は、異なる領域の価値を接続して新しいビジネスを生み出す「構造的イノベーション」の好例と言えるだろう。
この「三方良し」の仕組みは、単なる美談ではなく、「持続可能な社会課題解決」を志向する事業モデルとして、多くの読者の関心と学びを誘発するだろう。

※本記事は、原文から一部編集・要約して掲載しています。