株式会社do.Sukasu(奈良県奈良市、代表取締役 笠井一希、以下「do.Sukasu」)は、プレシリーズAラウンドにおいて6,000万円を調達した。本ラウンドは、南都銀行系の南都キャピタルパートナーズとキャピタルメディカ・ベンチャーズが共同運営する「やまと社会インパクト投資事業有限責任組合」を引受先として実施された。
視覚認知能力という未踏領域への挑戦
交通事故や労災の背景には「ヒューマンエラー」がある。その要因のひとつが加齢による視覚認知能力の低下である。視覚認知能力は「空間認知能力(距離感・位置関係の把握)」と「物体認知能力(線や図形の認識)」から構成されるが、これを科学的かつ客観的に評価・改善する仕組みはこれまで確立されていなかった。
do.Sukasuは、この課題に対し「de.Sukasu」シリーズを開発。特にVRを活用した空間認知能力評価「de.Sukasu KEEP」は、従来の深視力検査を上回る精度で事故リスクを判別できることが研究で示されている。奈良女子大学や東京都リハビリテーション病院との共同研究により、科学的エビデンスを伴ったトレーニング効果の検証も進められている。
また、奈良市や奈良県と連携して展開される「de.Sukasu DRIVE」は、ドライバーの安全運転支援アプリとして現場導入・評価が進行中である。
今回の資金調達の狙い
調達資金は以下の用途に充てられる。
• プロダクト開発強化:機能拡充と精度向上による社会実装の加速
• 認知度向上:営業・PR活動の本格展開
• 導入拡大:自治体・医療機関・企業での現場適用の促進
同社は、事故削減や高齢ドライバー支援のみならず、健康寿命の延伸、介護リスクの低減、医療費抑制など、幅広い社会的インパクトを見据えている。
投資家・関係者のコメント
• 南都キャピタルパートナーズ 堺敦行社長
「前回出資以降、着実に社会実装に向け歩を進めていることを評価し、今回も出資を決定した。」
• キャピタルメディカ・ベンチャーズ 青木武士社長
「技術の効果は既に実証段階にあり、社会実装フェーズに入る今、全力で支援していきたい。」
• do.Sukasu 笠井一希代表
「奈良から社会課題解決のモデルを発信し、社会実装を実現していくために一層全力を尽くす。」
視覚認知能力ソリューション「de.Sukasu(デスカス)」について
「de.Sukasu」は、世界初の視覚認知能力トータルソリューション。視覚認知能力とは空間認知能力(物の位置、距離感、遠近感の認識)と物体認知能力(線、図形、文字の認識)から構成され、いずれも加齢により能力が低下すると言われてる。do.Sukasuでは、スマホや車載センサーを用いた空間認知能力評価アプリ「de.Sukasu DRIVE」のほか、VRを用いた空間認知能力評価サービス「KEEP」及び空間認知トレーニングシステム「de.Sukasu Tarining CATCH」、タブレットを用いた物体認知能力評価サービス「FIND」など、ユーザーが持つ視覚認知能力の測定・評価・トレーニングを可能にする。
URL:https://www.dosukasu.co/product
会社概要
会社名:株式会社do.Sukasu
本社所在地:〒630-8217 奈良県奈良市橋本町3-1
代表者:笠井一希
創業:2020年6月
事業:視覚認知能力の簡易定量化による事業開発
コーポレートサイト:https://www.dosukasu.co/
ZEROICHI編集視点:注目点と取り上げ理由
1「視覚認知能力」という新領域の社会実装
交通事故ゼロを掲げる文脈は数多いが、ヒューマンエラーの“根因”である視覚認知能力に正面から取り組む点はユニークである。
2奈良発スタートアップのモデル性
地銀・自治体・大学との連携を背景に、地域課題から全国・世界への展開を目指す「奈良発モデル」は、地方発スタートアップの可能性を示す象徴的事例である。
3社会インパクト投資との親和性
「やまと社会インパクト投資」という地域ファンドが支える形は、単なるベンチャーファイナンスではなく、社会課題解決型ビジネスの資金循環モデルとして注目される。
do.Sukasuの挑戦は「事故削減」という直接的インパクトを超え、健康寿命延伸・介護リスク低減・医療費抑制といった社会全体の課題解決に波及する可能性を持つ。視覚認知能力という未開拓領域を軸に、奈良から世界へ発信される社会実装モデルの行方が注目される。
※本記事は、原文から一部編集・要約して掲載しています。