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大学新卒ハイスキル外国人材と日本企業を結ぶ『mintoku messe』始動

― アジア50校超と連携し、採用から定着まで一気通貫で支援する採用・定着プラットフォームである ―

株式会社キャムグローバル(東京都新宿区、代表取締役:三石晃史)は、アジアの優秀大学と提携し、ハイスキルな新卒外国人材と日本企業を直接結ぶ採用・定着支援サービス『mintoku messe(ミントクメッセ)』の提供を開始した。本サービスは、同社が展開する外国人雇用の包括支援『mintoku』事業の一環であり、採用前の母集団形成から入社後の定着フォローまでを一気通貫で実装する点に特徴がある。提携大学のジョブフェア出展や専用求人サイトを通じ、技人国(技術・人文知識・国際業務)在留資格を想定した人材と企業のマッチングを推進するものである。

正式ローンチの第一弾として、2025年8月25日・26日にインドネシアのガネーシャ教育大学が主催した合同企業説明会へ、日本企業として唯一出展した。来場約1,000名の学生に対し、日本企業約10社の求人を紹介し、あわせて『mintoku messe』の求人サイトを案内、約100名の登録を獲得した。現在、同社はベトナム・インドネシアを中心に50校超の優秀大学と提携しており、今後も拡大を見込む。リアルとオンラインの両チャネルを併用し、日本語習得者や理系人材を中心とした高度人材の獲得を目指す構えである。

サービスの骨子:採用から定着までを一気通貫である

『mintoku messe』は、①優秀大学との提携網、②現地母集団形成~紹介までのワンストップ支援、③新卒相当人材に特化した定着フォローの三点を中核に据える。ジョブフェアや学内説明会、大学媒体での求人掲載により、企業は現地に赴かずとも効率的に学生へ到達できる。採用後は生活支援や職場フォローを含む定着施策を提供し、インターンからの就職導線も整備することで、“採って終わり”を回避し長期活躍を見据えた伴走を行う。

連携・出展スケジュール:東南アジア主要校を網羅する

提携大学主催のジョブフェアに順次出展し、登録人材の拡充と企業求人の周知を進める。2025年9月はスラバヤ工科大学(工科系No.2相当)、アイルランガ大学(総合国立上位)および泰日工業大学に出展、10月はインドネシア大学(国内No.1国立)、バンドン工科大学(工科系No.1)やダナン工科大学など理系中核校を予定する。11月以降はベトナムの電力大学、ホーチミン市オープン大学、タイのタマサート大学、12月はウダヤナ大学、そして2026年2月にはキングモンクット工科大学トンブリ校への展開を計画している。いずれも理工系・文系・宿泊関連など、多様な専攻と産業ニーズに対応する布陣である。

背景:人手不足と受け入れ設計の断絶を埋める

日本企業の人手不足は恒常化し、外国人雇用への期待は年々高まる。他方で、企業側の求人ノウハウ不足、受け入れ体制の未整備、マッチングの難度が障壁となる。キャムコムグループは2023年から試験的にアジアの大学とジョブフェアを共催・出展し、2024年度は累計2.5万人の参加を記録。現地実務に根差した施策の蓄積を、今回の『mintoku messe』に結実させたかたちである。現地での母集団形成→日本企業の求人可視化→定着フォローという連続設計により、採用の質と歩留まりの双方を高める狙いである。

期待される効果:高度人材の可視化と“定着”の制度化

本サービスは、アジアの上位大学と接続された継続的なタレント・プールを前提に、企業ごとの要件定義に沿った候補者選考を実行する。新卒相当を対象とすることで柔軟性と定着率を確保し、インターン→本採用のブリッジによって、入社後のミスマッチ低減を図る。さらに、生活支援や職場フォローの定着パッケージを標準化することで、個社ごとに分散しがちなオンボーディングを制度として運用できる点が要諦である。

公式サイト:https://mintoku.com/messe/

ZEROICHI編集部の注目点

第一に、「採用×定着」を一体運用する“現地起点”の設計である。 単発の採用仲介ではなく、大学ネットワークを基盤にした母集団形成と、日本企業側のオンボーディング・生活支援までをプロセスとして束ねる発想は、外国人新卒の歩留まり改善に直結する。
第二に、理工系を核にしたハイスキル新卒と日本企業の構造的接続である。 研究領域・実務要件・言語要件を大学側で前処理した上で提示できれば、企業は探索コストを大幅に圧縮できる。技人国の前提整備を明示する点も、採用実務の見通しを高める。
第三に、リアル×オンラインの二層導線である。 ジョブフェアで信頼を醸成し、求人サイトで回遊と応募を維持する設計は、候補者体験と企業の採用効率の両立に資する。インターン接続を通じた“試用の可視化”も、ミスマッチの早期発見に有効である。
総じて本件は、人材移動の国際化を“仲介の増幅”でなく“制度化された受け入れ”へと転換する取り組みであり、採用の質・速度・定着を同時に底上げする実装として評価できるのである。

※本記事は、原文から一部編集・要約して掲載しています。