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東京舞台芸術祭2025「Performing Arts Base」― 日本最大級の舞台芸術総合イベント、初開催決定

一般社団法人緊急事態舞台芸術ネットワーク(JPASN)は、舞台芸術に関わる表舞台から舞台裏までを横断的に体験できる日本最大級の総合イベント「Performing Arts Base 2025」(以下PAB)を、2025年10月2日(木)〜5日(日)に東京国際フォーラムで初開催すると発表した。

本イベントは、舞台芸術の魅力を広く社会に開くと同時に、次世代育成やキャリア教育、文化的素養の向上にも寄与することを目的としたものである。誰もが無料で参加でき、舞台芸術に初めて触れる層から業界関係者まで、多様な観客を対象にしている点が特徴である。

背景と意義

舞台芸術は人類史とともに育まれてきた文化的財産である。しかし観劇経験のない人も多く、また舞台裏の専門性に触れる機会は限られてきた。PABはこうした課題に応えるべく「芸術の裾野拡大」と「舞台芸術と社会との新しい接点づくり」を掲げる。舞台芸術を単なる鑑賞対象ではなく、社会的対話や学びの場として再定義する試みである。

プログラム概要

地上広場でのパフォーマンス
世界的ロングラン公演「舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』」による「ワンドダンス」屋外パフォーマンスをはじめ、藤田善宏率いる「CAT-A-TAC」の独創的ダンスや、ジャグラー目黒陽介と音楽家イーガルによるコラボレーションなど、多彩な17演目が予定されている。
ラウンジ・シンポジウム
舞台美術大手「金井大道具」によるワークショップ、東京芸術文化相談サポートセンター「アートノト」の出張相談、SOILによるエディンバラ・フェスティバルでの成果報告会などが実施される。
関連企画
東京都内演劇祭との連携プログラムや、舞台映像アーカイブ上映なども展開し、地域文化と国際舞台芸術を接続する試みが進められる。

開催概要
• イベント名:Performing Arts Base 2025
• 会期:2025年10月2日(木・前夜祭)〜10月5日(日)
• 会場:東京国際フォーラム(地上広場、ラウンジ等)
• 入場料:無料

公式サイト
東京舞台芸術祭 2025公式サイト:https://tokyofestival.jp/

一般社団法人緊急事態舞台芸術ネットワーク
公式ウェブサイト:https://jpasn.net/

ZEROICHI編集視点 ― 注目点と取り上げ理由

ZEROICHIとして注目すべきは、「舞台芸術を社会インフラ化する視点」である。単なる公演イベントに留まらず、舞台裏の仕事体験やワークショップを組み込むことで、芸術をキャリア教育や産業構造に結びつけている点が革新的である。また、アクセシビリティやインバウンド対応を含めたプログラム設計は、「芸術を誰にでも開く」という社会的使命を具現化する取り組みであり、東京を国際舞台芸術都市とする戦略の一環と評価できる。

さらに、世界的コンテンツ(ハリー・ポッター)と日本独自の伝統・新興芸術を横断的に配置している点は、「グローバルとローカルの文化資源を結ぶ」象徴的な仕掛けである。舞台芸術を社会課題や都市ブランドの文脈にまで拡張することで、文化を未来の成長エンジンと捉える新たな潮流を提示しているといえよう。

※本記事は、原文から一部編集・要約して掲載しています。