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国内発AIライブ翻訳「CoeFont通訳」、iOS版を正式リリース—— “いつでも・どこでも”リアルタイム通訳、グローバル対話の新基盤へ

株式会社CoeFontは、AI音声プラットフォーム「CoeFont」を基盤に開発された国内発のAIライブ翻訳サービス「CoeFont通訳」のiOS版を正式リリースした。これにより従来PCでの利用に限定されていたサービスがスマートフォンに対応し、外出先や対面会話など、シーンを問わず利用可能となった。さらに英語に加え、中国語・フランス語・スペイン語を含む多言語対応を実現し、発話から通訳までのタイムラグも最短1秒へと高速化されている。

サービスの進化と社会的背景

世界的に多言語コミュニケーションの需要は急増しているが、通訳人材不足や即応性の課題は依然深刻である。CoeFontはこの課題に対し、国内発の技術でリアルタイム通訳を普及させることを目指してきた。今回のアップデートにより、スマートフォンという日常的なツールに統合され、ビジネス現場や観光、教育、接客など多様な環境での活用が想定される。
さらに、AI推論の最適化による“最短1秒”の通訳開始は、従来のプロ通訳と比較しても遜色ない水準であり、会話のリズムを損なわない点が大きな特長である。

アップデート概要

1. iOSアプリ版の提供開始
「CoeFont通訳 for iOS」を公開。これまでPCデスクトップ版でしか利用できなかったサービスが、スマートフォンでの対面会話や外出先でも利用可能になりました。モバイル利用により、シーンを問わず誰でもリアルタイム通訳を活用できるようになります。

2. 多言語対応の拡大
従来の英語に加え、中国語・フランス語など複数言語に対応。ビジネス、教育、観光など幅広いシーンでの利用が期待されます。今後も、市場のニーズに応じて、対応言語を拡大してまいります。
【対応言語一覧】
日本語、英語、中国語、フランス語、スペイン語

3. 通訳開始速度の高速化
AI推論を最適化し、発話から通訳までのタイムラグを最短約1秒に短縮しました。
会話のリズムを損なわず、より自然な対話体験を実現します。
過去に当社で実施した比較調査によると、プロ通訳の発話から通訳までが平均2秒以内であり、長文の通訳においては、平均5秒かかる場合があることが示されています。

CoeFont通訳はAIの利点を活かし安定したクオリティのパフォーマンスを提供します。
※参考:2025年3月14日公開レポート:https://cdn.coefont.cloud/assets/docs/%E3%82%B3%E3%82%A8%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3%E[…]B3%E3%81%AE%E5%AE%9F%E5%8A%9B%E3%82%92%E6%A4%9C%E8%A8%BC.pdf

■利用方法
iOSダウンロードURL:https://apps.apple.com/app/6749563379
サービスURL:https://coefont.cloud/cir
対応言語:英語、中国語、フランス語、スペイン語(順次拡大予定)
提供プラン:無料 ※有料プランに登録することで利用時間を追加できます。

「CoeFont v3 Fuji」からの文脈的つながり

ZEROICHIが以前取り上げた「CoeFont v3 Fuji」の記事(「AI音声は“感情”へ」では、日本語AI音声の表現力が飛躍的に向上し、喜怒哀楽といった感情をリアルに再現することで“日本語AI音声の次のあたりまえ”を提示した。今回の「CoeFont通訳」はその延長線上に位置づけられる。
すなわち、声の感情表現力 × 翻訳スピードという両軸が統合され、グローバルなコミュニケーション体験に直結する新たな価値を創出している。従来の翻訳サービスが「意味を伝える」にとどまっていたのに対し、CoeFontは「感情をも含めたリアルタイムの双方向対話」を実現しつつある。

ZEROICHI編集視点:注目点と取り上げ理由

  1. 国内発AI通訳の社会実装フェーズ:日本企業発のAIが、翻訳というインフラ領域で“即時性”と“感情表現”を兼ね備えた製品をリリースした点は、国際競争力強化の観点で注目に値する。
  2. 「感情音声」から「通訳」への連続進化:以前の「CoeFont v3 Fuji」が示した音声表現の深化が、今回「CoeFont通訳」と結びつき、より複合的な価値(感情+意味のリアルタイム共有)へと拡張している。これは単なる機能拡張ではなく、音声AIの“社会実装の地平”を切り開く動きである。
  3. 利用シーンの拡大可能性:ビジネス会議、観光案内、教育現場、さらには日常会話まで。iOS対応により「誰でも・どこでも」利用可能になったことは、翻訳の民主化を推進し、多様な社会参加を後押しする。

CoeFontの取り組みは、AI音声技術が「声の感情表現」から「意味の即時共有」へと段階的に進化していることを示すものである。これは単なる翻訳アプリではなく、“声”を媒介とした次世代コミュニケーションの基盤づくりと位置づけられるだろう。

※本記事は、原文から一部編集・要約して掲載しています。