デジタルプラットフォーマー株式会社(東京都 代表取締役 松田一敬)は、2026年を日本のコンテンツ産業における「実装の年」と位置づけ、信頼を基盤とした文化経済インフラの社会実装に取り組む姿勢を示している。音楽、アニメ、ゲームなど、日本発コンテンツがグローバルで広く消費される一方、その価値が誰にどのように還元されているのかが見えにくいという構造的課題に、正面から向き合おうとする動きである。
コンテンツの海外展開は、すでに珍しい話ではない。しかし、その流通の裏側で、創り手や産業基盤が十分に報われているかという問いは、必ずしも解消されていない。デジタルプラットフォーマーが提示しているのは、市場規模や輸出額の拡大ではなく、「信頼」を前提とした仕組みの再設計という視点である。
グローバル流通の陰で見えなくなったもの
日本のコンテンツは、デジタルプラットフォームを通じて日常的に国境を越えている。だが、その過程で、権利の所在や評価の基準、収益の分配がブラックボックス化しやすい構造が生まれている。結果として、誰が価値を生み、誰が支え、どのように利益が循環しているのかが見えにくくなっている。
この問題は、単に契約条件や交渉力の話ではない。文化が継続的に生み出されるための土台、すなわち「文化インフラ」が十分に整っていないことに起因している。デジタルプラットフォーマーは、この状況を産業構造の問題として捉え直している。
技術ではなく「制度」を実装するという発想
同社が注目するWeb3は、新しい技術トレンドとしてではなく、制度やルールを実装するための基盤として位置づけられている点が特徴である。ブロックチェーンは、投機や価格変動の文脈で語られることも多いが、ここでは権利や評価、報酬分配を支える仕組みとして扱われている。
年始に公開されたホワイトペーパー『クリエイターエコノミー再構築のためのWeb3信頼インフラ設計(CreA構想)』では、DID(分散型ID)による権利主体の明確化、DAOによる参加型の経済設計、ステーブルコインによる国境を越えた還元といった要素が整理されている。重要なのは、これらが単独で機能するのではなく、組み合わされることで「信頼の前提条件」を構築しようとしている点である。
「検討」から「実装」への移行
Web3は、これまで多くの議論や実験が行われてきた分野である。一方で、現実の産業や行政の現場では、「検討段階」にとどまるケースも少なくなかった。デジタルプラットフォーマーが掲げる2026年の展望は、構想を語る段階から、実際に社会に根づかせる段階へ移行することにある。
ホワイトペーパーは、事業会社や自治体、金融機関、大学、クリエイター支援組織など、多様な主体が共通言語として使えるよう整理されている。これは、特定の技術者や先進層だけでなく、制度設計に関わる側が理解し、判断できる材料を提供する意図がある。
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ZEROICHI編集部が注目した理由
ZEROICHI編集部が本件に注目した理由は、「Web3」という言葉の新しさではなく、文化産業の持続性という根本課題に対し、制度と技術を同時に扱おうとしている点にある。派手な成功事例や短期的な成果を強調するのではなく、権利・評価・還元という見えにくい部分を構造として可視化しようとする姿勢は、長期的な文脈で評価すべき動きである。
また、日本発コンテンツをグローバルに届ける際に、創り手や支える側が置き去りにされない仕組みを先に設計しようとしている点も重要である。これは、単なる海外展開支援ではなく、文化経済そのものの再設計に近い。
信頼がなければ文化は続かない
文化は、消費されるだけでは持続しない。創り手が正当に評価され、支える側が報われる構造があって初めて、次の作品や挑戦が生まれる。デジタルプラットフォーマーの構想は、この循環を技術で自動化するというより、信頼が成立する前提条件を整えることに重きを置いている。
2026年を「実装の年」とする宣言は、結果を約束するものではない。一方で、検討や議論にとどまらず、社会に問いを投げ、試行錯誤を始めるという意思表示でもある。
文化インフラという長い時間軸
文化インフラの整備は、短期間で成果が見えるものではない。制度や慣行が変わるには時間がかかる。その意味で、今回の取り組みは即効性よりも、長期的な視点に立った一歩と捉えるべきだろう。
日本の文化とアイデンティティを、信頼とともに世界へ届ける。そのために必要なのは、新しい技術を使うこと以上に、何を前提として価値を循環させるのかを定義し直すことである。デジタルプラットフォーマーの動きは、その入口を示している。
■原文リリース(参照)
原文リリース発表日付:2026年1月5日
タイトル:デジタルプラットフォーマー、日本発コンテンツを、持続可能なかたちでグローバルへ ―― Web3時代の文化インフラ構想と2026年の展望 ――
原文リリースのURL:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000060.000059855.html
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