インタビュー中の堀江さんと前島さん3-1@ZEROICHI
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店舗展開構想と「ケの日」を支える日常食の未来

テクノロジーは、家庭から「炊事」の義務を消せるのか。

共働き世帯の増加とともに、急速に市場を広げる「手料理サブスク」サービス。そのフロントランナーである手料理サブスク「ツクリオ」を運営する株式会社Antwayが運営するキッチンの心臓部へ、実業家の堀江貴文氏が潜入した。

清澄白河のビルの一角に構えられた最新鋭のキッチン。そこには、自社開発のロボットアーム、窒素充填による鮮度保持、そしてエンジニア集団によるアジャイルな生産管理システムなど、従来の「惣菜工場」の常識を覆す光景が広がっていた。

全3回にわたるこの対談では、1,000種類ものメニューを支える自動化への挑戦から、人手不足を解決するフランチャイズ構想、そして「ハレの日」ではなく日常の「ケの日」を支える食の本質までを網羅。代表の前島恵氏と共に、テクノロジーがもたらす「新しい食卓のあり方」を徹底的に深掘りする。

最終回となる第3回は、店舗展開への構想と社会貢献の視点。堀江氏も驚いた『飽きない味』の秘密と、福利厚生や刑務作業への応用まで、日常食の未来を語り合います。

・その1:最新技術を導入したキッチンの裏側と自動化への挑戦

・その2:製造現場の効率化を支えるデータ管理

店舗展開とセントラルキッチンの必要性

堀江貴文(以下、堀江)次はどちらへ。

株式会社Antway 代表取締役社長CEO 前島恵(以下、前島)こちらは仕込みの現場です。仕込み、調理、梱包と流れます。仕込みはロボットでの対応が最も難しい部分ですが、逆に言えばここで付加価値が出せます。例えばハンバーグであれば、機械化も進んでいますが、やはり「手ごね」の方が満足度が高いというデータがあります。

堀江:なるほど。

前島:自社でやるべき「手作業」と、外注や自動化に適した工程をデータで切り分けています。

堀江:パプリカの加工、大変そうじゃないですか。結構細かく加工していますね。

前島:ここは手切りが価値があると判断してやっています。他の野菜は7割ぐらい別の場所で加工しているんですけど、付加価値が出る部分は自社でやって。

堀江:そうなんですね。これが何個ぐらいあるんですか?このキッチンが。

前島:これが今年中に計10箇所。ここが一番大きいです。

堀江:ここが一番大きいんですか。

前島:フランチャイズ化して、半分はフランチャイズなんです。一定の規模を超えると、あとは横に並列で増やしていくのが一番効率的なんですよ。なので、一番投資効率の良いモデルでパッケージ化して、フランチャイズとして展開し始めたところです。

堀江:どういう会社がいいですか?フランチャイズのパートナーとして。

前島:代表的なところだと、車のディーラーとか飲食系。

堀江:飲食系。飲食系はなんでやるんですか?

前島:今、どこも深刻な人手不足じゃないですか。彼らも「店舗は接客に集中させて、調理はセントラルキッチン化したい」という課題を抱えているんです。僕らはそのあたりのノウハウがめちゃくちゃ溜まっているので、そこを求めて選んでいただくケースが多いですね。

堀江:ノウハウを得たい。

前島:ノウハウを得たい。ただちょっと守秘義務あるんで、どこまで使えるかっていうのはまあ要議論なんですけど。

堀江:なるほど。……それ、僕もちょっと検討したいな。今、九州でうどんのチェーンをやっていて。

前島:あ、そうですよね。「小麦の……」。

堀江:そう、「小麦の奴隷」。九州に46店舗あるんですよ。既存の会社を買収して、これから出店攻勢をかけるところなんですけど。

前島:楽しみですね。

堀江:博多うどんのお店って、実は「うどんファミレス」なんですよ。お惣菜のメニューも豊富で。ただ、現場の調理負担を減らしたいのは共通の悩みでして。うどん自体は店内でやりますけど、カツを揚げるとか、そういうのは別に店内でやる必要ないじゃないですか。

前島:おっしゃる通りです。近くにセントラルキッチンを置いて、10店舗、20店舗単位で配送できればベストですよね。

堀江:そうそう。

前島:調理の最終工程一歩手前の状態で、鮮度を落とさずに店舗へ運べる。これまでは技術的に難しかったことが、今はできるんです。

堀江:40店舗以上の規模があれば、できますよね。

前島:投資する価値は相当ありますね。

堀江:やりたいな。

在庫を持たないサブスクモデルと社会貢献への視点

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前島:こちらが在庫スペースですが、見ての通り、ほとんど在庫がないのがうちの特徴です。

堀江:なるほど。

前島:サブスクなので、売れる数が先に確定してから作るんですよ。だからロスがほぼ出ない。その分、浮いたコストを原価や付加価値に回せるのが強みなんです。

堀江:なるほど。スタッフの方々も、淡々とこなしている印象ですけど。

前島:そうですね。品目の並びなどによっても生産性はかなり変わってきます。食材の被りや順番、それをお客さまの声をアンケートでいただき、随時改善を加えより良いものにしていく、この流れとスピードで利益が出せるようになってきました。

あとは、こちらの乾物庫。ここはとある会社さんのオフィスだったので、壊すのに1億かかる頑丈な金庫が残っているんです。今はそのまま乾物庫として使っています(笑)。

堀江:金庫に(笑)。

前島:調味料は、良い意味で至って普通です。

堀江:至って普通ですね。なんか特別すごい美味しそうなものがあるわけでもなく、普通の家庭で買えるようなものですね。

前島:そこが重要で、特別なものを使わないことがお客様の満足度向上や「飽きない味」=「継続率」に繋がるんですよ。ハレの日じゃなく、日常の「ケの日」を支える。

堀江:なるほど。だから食べていても疲れないわけだ。

ケの日の料理を実食してチルドの鮮度を体感する

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堀江:休憩室も充実していますね。これ、早速いただいてもいいですか?

前島:休憩室は従業員の方に長く快適に働いていただきたいので、快適さにこだわっています。ぜひ。今週のメニューです。

堀江:いただきます。美味しそう。このチキンとか作っていましたよね?

前島:まさに。手作りです。

堀江:……うん、なるほど、飽きない。ちゃんと美味しい。

前島:これ、製造から3日経っています。鮮度の方はいかがでしょうか?

堀江:特に気にならない。

前島:窒素と急速冷蔵の力で。このサバの竜田揚げも、骨を抜いているものを利用しています。

堀江:しかもタンパク質が豊富でいいですね。

前島:管理栄養士が監修して、家庭での「ちょっと面倒な手間」を全部僕らが引き受けています。

堀江:家でこれを作るのは大変ですよ。美味しいな、これ。確かに、サブスクしたくなります。

前島:1食でこれだけ栄養が整うと、精神的な罪悪感も減るし。

堀江:これ、デリバリーで食べたいです。

前島:やりたい気持ちはあるんですけど、配送コストの比率が上がるとこの価格が維持できなくて。やはり「1週間分をまとめて届ける」サブスクモデルが、製造・配送の両面で一番強いんです。

堀江:やっぱり冷凍もいいんですけど、チルドには負けますね。

前島:そうなんです。今の技術だとやはり、チルドに軍配が上がる。食べていただくとわかりますよね。なので、顧客獲得や満足度向上のために、まず一回どうやって食べてもらうかが鍵かなと思っています。

堀江:確かに、一回食べると違いがわかる。あとは、調理(電子レンジで加熱)が楽ですよね。たまにスーパーでお惣菜とか買って食べたりしますが、皿に盛ってラップかけてとかって、結構手間になりますよね。これは電子レンジに入れれば終わりですもんね。(お皿に移さずに)パッケージのまま食べられる方もいますよね。

前島:効率化を極めた方は食卓に並べても抵抗感ないとおっしゃってますね。そのまま食卓に出して、取り分けて食べるみたいなスタイルでご利用いただいている方もいます。

堀江:福利厚生で冷蔵庫にこれが入っていたら、絶対売れますよ。僕も昔、ヒルズのオフィスで社内コンビニを作りましたけど、都心のビルは下りるだけで一苦労ですから。なんでみんなやらないんだろう?

前島:どこでも買えるような商品を並べるだけだと、あまりうまくいかないモデルだと考えていて、一方、我々はコンテンツもオリジナルなので、付加価値でそこでも利用されているのではないかと考えています。

堀江:このクオリティでこの品種を作れてる、オペレーションを確立できているのがすごいですね。さすがエンジニアだわ。

前島:ありがとうございます。

堀江:面白い。

前島:堀江さんも美味しいと言っていただいた、冷蔵の手料理サブスクです。家事や炊事が大変だなと思っている方、ぜひ一度使ってみてください。

堀江:すごい手が込んでいます。

前島:ありがとうございます!よろしくお願いします。