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週末になると2時間待ち!【大江ノ郷自然牧場・小原氏が語る「1個100円の卵が売れる訳」とは その1】

堀江貴文氏は、「天美卵」という1個100円の卵を全国へと販売する傍ら、地域に根差した六次産業を推進する大江ノ郷自然牧場の社長・小原利一郎氏に、大江ノ郷自然牧場の名前が知れ渡るようになるまでの経緯や、複合施設「大江ノ郷ヴィレッジ」&閉校を活用した里山リゾートホテル「OOE VALLEY STAY」が高い人気を誇る理由について話を聞いた。

大江ノ郷自然牧場がコストのかかる“平地での放し飼い”にこだわる訳

小原利一郎(以下、小原) まず、「大江ノ郷自然牧場」(鳥取県)の施設全体をご案内したいと思います。

堀江貴文(以下、堀江) ありがとうございます。ここは、鳥取駅から車で30分くらいの場所ですよね。

小原 そうです。実は「大江」という地名は、鳥取県の人にもあまり知られていないんですよ。この先はもう行き止まりというか、山を登っていくような感じになるので、普段は奥に行く人はいません。

堀江 もともと養鶏場をやられていたんですよね?

小原 はい。父が養鶏をしていまして、修行のため県外の大規模養鶏場へ就職したんです。そこはケージで鶏を飼っていたんですけど、ケージに入っている鶏は羽がボロボロになっていたりして、とても可愛そうでした。それで、僕は平地での放し飼いを始めたんです。それが1994年ですね。

堀江 へー。

小原 その後、ここをただの養鶏場じゃなくて、人と動物が触れ合える「観光牧場」みたいなものにしたいなと思ったんですけど、ちょうど鳥インフルエンザが発生(日本では2004年、2007年に流行)した頃で、世の中は「人と鶏が触れあうのは危険だ」という雰囲気でした。

堀江 まあ、そうでしょうね。

小原 それで、観光牧場以外でここに来ていただく方法はないかなと考えた時に「おいしいスイーツを作ったら、食べに来てもらえるかな」って思ったんです。なんの勝算もなく……。

堀江 なんの勝算もなく(笑)。

その2へ続く

小原利一郎(Riichiro Ohara)
「大江ノ郷自然牧場」社長。1965年生まれ。鳥取県出身。専門学校卒業後、県外の養鶏場で働くも、近代型養鶏に疑問を感じ、サラリーマンへ。その後、平飼い養鶏の夢を叶えるため、地元鳥取へと戻り、「大江ノ郷自然牧場」を創業。「天美卵」として一個100円の卵として全国へと販売する傍ら、地域に根差した六次産業を推進するとともに、自然循環型農業へ取り組む。
2009年、卵の専門店「ココガーデン」を開店。2016年に農と食のナチュラルリゾートをコンセプトとする複合施設「大江ノ郷ヴィレッジ」、2019年には閉校を活用した里山リゾートホテル「OOE VALLEY STAY」を開業。