堀江貴文氏は5月27日、関西学院大の橋本秀樹教授を取材。人工光合成について話を聞いた。人間の体内では作り出せないカロテノイドとは?(初回配信日:2018年5月27日)
カロテノイドが少ない人は老化が早い
堀江 そういえば、“NAD”ってすごいんですよね。以前、米国ワシントン大学の今井眞一郎教授と対談したんですが、「脳の視床下部が老化のコントロールセンターになっていて、サーチュイン(長寿遺伝子)がNADを使っている」と言ってました。つまり、NADの血中濃度が下がっていくことによって老化するので、「じゃあ、NADをサプリにすればいいんじゃないの?」ということで、僕は今、NADのサプリを飲んでいるんです。
橋本 それ、売ってるんですか?
堀江 はい。NADは「ニコチンアミドのDi(2つ)ヌクレオチド」じゃないですか。それで「NMN(モノヌクレオチド)」を腸から吸収すると、体内でヌクレオチドが1個足されてNADになるらしいんです。なので、正確にはNMNのサプリを飲んでいるんですけど……。…。
橋本 調子いいですか?
堀江 いや、わかんないです(笑)。まだ、1年くらいしか飲んでないので。1年くらいじゃ、老化しているか老化していないかわからないですよ。
橋本 そうですね。
堀江 NADが使えれば、人工光合成には便利なんですか?
橋本 便利ですね。電解質の伝達物質になるので。今、私たちが作ろうとしているのは固体媒体ですが、NADが使えれば本来の光合成のように溶液反応でできますから。ただ、NADは太陽光をガンガンあてるとへたるだろうなあ。
堀江 紫外線で分解されちゃうっていうことですね。でも、体内ではへたらないですよね。
橋本 はい。紫外線が届きませんから。あと生体防御っていう、紫外線で発生した活性酸素種を除去するシステムがあるんです。
堀江 何が活性酸素種を除去しているんですか?
橋本 カロテノイドという色素です。
堀江 はいはい。
橋本 だから、カロテノイドが少ない人は老化が早い。もうひとつはメラニン色素。メラニン色素は紫外線を体内に届かなくしている。
堀江 カロテノイドって、緑黄色野菜とかに多く含まれているやつですよね。
橋本 そうです。その中でも特に活性度の強いのが、エビやカニにある赤い色素です。最近は化粧品にもなっています。あれはビタミンEの1000倍の活性があるんです。塗ってもいいし、飲んでもいい。
堀江 じゃあ、けっこう効くんですか?
橋本 効くと思います。毎日カロテノイドのサプリを服用していと格闘技で青タンを作った時にでも、次の日には治っていたりしますから。
堀江 人間の体の中にあるカロテノイドでは足りないんですか?
橋本 カロテノイドは体内では作れないんですよ。摂取するしかない。日本人はアスタキサンチンと言うカロテノイドの摂取量が特に多いんです。
堀江 そうなんですか。
橋本 鮭とかタイとかエビとか、魚介類を多く食べるじゃないですか。それに比べて、欧米の人はあまり食べない。だから血中のカロテノイドを分析すると量が全然違うんです。
堀江 そうなんだ。やっぱり活性酸素って体に悪いんですか?
橋本 悪いです。DNAをブチブチ切りますから。
堀江 それに対抗するには、どうしたらいいんですか?
橋本 アスタキサンチンをたくさん摂る。
堀江 いっぱい摂っても大丈夫なんですか?
橋本 大丈夫です。排泄物が赤くなるぐらいです(笑)。
堀江 あー、やっぱり赤くなるんですね(笑)。でも、人工光合成にアスタキサンチンは関係あるんですか?
橋本 カロテノイドって、光合成色素なんですよ。
堀江 あー、そうか。そっちからきてるわけか。
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Photograph/Edit=柚木大介 Text=村上隆保
橋本秀樹(Hideki Hashimoto)
関西学院大学理工学部教授。1990年、関西学院大学大学院理学研究科博士後期課程修了。グラスゴー大学客員准教授、大阪市立大学教授を経て、現職。人工光合成による次世代燃料開発などが研究テーマ。