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「実務」ではなく「知見」を買う時代へ ―生成AIの次に、M&A・事業承継、セキュリティの知見ニーズが伸びた理由

企業を取り巻く経営環境は、かつてない速度で複雑化している。生成AIの進展、人的資本経営の要請、地政学リスクやサイバー脅威の顕在化など、意思決定に求められる前提条件は年々増え続けている。その一方で、すべてを自社内で抱え込み、正解を見出すことは現実的ではなくなりつつある。

こうした状況の中で注目されているのが、「実務を外注する」のではなく、「意思決定のための知見を外部から取りに行く」という動きである。株式会社ビザスク(東京都目黒区 代表取締役 端羽 英子)が発表した2025年の知見ニーズ分析は、その変化を端的に示している。

同社は、2025年にマッチングが成立した約6万件のインタビュー・ビジネス相談案件を分析し、人気のビジネス知見や、前年からニーズが伸びた分野をランキング形式で整理した※1。本記事では、その内容をもとに、企業の意思決定構造がどのように変わりつつあるのかを読み解く。

※1 本年より分析方法を変更し、AIを活用して分類・集計を行っています。

人的資本・IT・主要産業が支える国内人気知見

2025年の国内における人気ビジネス知見ランキングでは、「人事・組織・採用」が1位となった。人的資本開示の本格化、人手不足、働き方の多様化といった背景のもと、人事制度の改定や組織設計に関する実務的な知見を求める動きが強まっている。

単なる制度論ではなく、「自社の文脈に即してどう設計するか」「他社はどのように失敗し、どう修正したのか」といった、現場感のある情報へのニーズが高い点が特徴的である。

3位に入った「IT」分野も、生成AIの普及を受けて性質が変わりつつある。クラウド移行や基幹システム刷新、データ基盤整備、セキュリティ強化など、AI活用を前提としたIT基盤の再構築に関する知見が多く求められている。ここでも重要視されているのは、技術そのものよりも「どの順番で、どのような判断をしたか」という意思決定のプロセスである。

ニーズが急伸したのは生成AI、M&A、セキュリティ

前年からニーズが最も伸びた知見は「生成AI」であった。企業での利用が進むにつれ、「何ができるか」ではなく、「どう事業や業務に組み込むか」という、より踏み込んだテーマへの関心が高まっている。

続いてニーズが伸びたのが「M&A・事業承継」である。後継者不足や事業ポートフォリオの見直しを背景に、スタートアップから大企業まで、M&Aを戦略的に活用しようとする動きが広がっている。特に、PMI(統合後の経営)や組織統合といった、実行段階の知見が重視されている点は注目に値する。

また、「セキュリティ」分野の伸長も顕著である。サイバー攻撃や情報漏えいが相次ぐ中、経営レベルでの危機管理が不可欠となり、CSIRT構築やインシデント対応など、実践的な知見への需要が高まっている。

海外では産業構造の中核領域と公共分野に関心

海外の人気知見ランキングでは、「自動車・モビリティ」がトップとなった。EV化やサプライチェーン再編、車載ソフトウェア化といった構造変化を背景に、各国市場の動向を把握したいというニーズが強い。

一方、前年から特にニーズが伸びた分野として、「農業・一次産業」や「公共政策」が挙げられている。気候変動や食料問題、デジタル政府といった課題に対し、海外の先行事例から学ぼうとする動きが活発化していることがうかがえる。

「アドバイス」が価値を持つ理由

今回の分析から浮かび上がるのは、企業が求めているのが「作業を代行してもらうこと」ではなく、「判断の質を高めるための知見」であるという点である。生成AIの進展により、情報収集自体は効率化した。しかし、他社の意思決定の背景や失敗談、現場特有の制約といった、文脈を伴う情報は依然としてデータ化しにくい。

だからこそ、AIによる仮説を、人の一次情報で補完する価値が高まっている。知見を提供する側は実務を請け負うのではなく、意思決定に必要な材料を提示する存在として位置づけられつつある。

株式会社ビザスクについて

日本最大級のナレッジプラットフォームを活用し、新規事業推進を支援。
「想定顧客に聞ける」BtoB顧客ヒアリングを提供し、実際のニーズに基づく仮説構築および市場性検証をサポート。導入は大手企業の新規事業部門・研究開発部門を中心に拡大し、東証プライム上場企業の5社に1社※2 において導入実績を有する。

※2 2025年1月末現在。複数部署での導入も1社扱い

会社概要

会社名:株式会社ビザスク
所在地:〒153-0042 東京都目黒区青葉台4-7-7 住友不動産青葉台ヒルズ1F・9F
設立日:2012年3月19日
代表者:代表取締役CEO 端羽 英子
証券コード:4490(東証グロース)
URL:https://corp.visasq.co.jp/

ZEROICHI編集部の注目点・取り上げ理由

本リリースで編集部が注目したのは、「知見ニーズの変化」が、単なるトレンドではなく、企業の意思決定構造そのものの変化を示している点である。
実務を外注する時代から、意思決定の質を高めるためにアドバイスを買う時代へ。その転換を、具体的なデータで示している点に、情報価値があると判断した。

おわりに

AI時代においても、「人から聞く価値」は失われていない。むしろ、複雑な環境下では、その価値は一層高まっている。企業がどのように知見を取り込み、意思決定を行っていくのか。本ランキングは、その現在地を示す一つの指標と言えるだろう。

■原文リリース(参照)

原文リリース発表日:2025年12月18日
タイトル:【ランキング】2025年人気&ニーズが増えた知見とは?〜生成AIに続き、M&A/事業承継・セキュリティの知見ニーズが拡大〜
原文リリースURL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000449.000015233.html

※本記事は、原文から一部編集・要約して掲載しています。
誤解や偏りが生じる可能性のある表現については、原文の意味を損なわない範囲で調整しています。