実運送体制管理簿の義務化が意味するもの
株式会社ロジテック(東京都新宿区 代表取締役 縄田崇)は、2026年2月3日、貨物自動車運送事業法の改正により義務化の対象が拡大される「実運送体制管理簿」の作成を支援するアプリケーション「25(ニーゴー)アプリ」の提供を開始した。
今回の法改正は、物流業界における多重下請け構造の実態を踏まえ、「誰が実際に運送を担っているのか」を明確にすることを目的としている。これにより、従来は元請や荷主側が把握しきれていなかった実運送の構造についても、一定の管理責任が求められることとなった。
特に注目されるのが、貨物利用運送事業者も含めて、実運送体制管理簿の作成・保存が義務づけられる点である。これまでアナログな運用で成立していた現場において、管理方法そのものの見直しが避けられない状況となっている。
アナログ管理が抱える構造的な限界
物流の現場では長年、電話による配車連絡と、紙やExcelを用いた管理が主流であった。案件ごとに異なる下請け構造や契約条件を、その都度人手で整理する運用は、一定規模までは機能してきたといえる。
しかし、法改正により求められる管理水準が引き上げられたことで、こうした運用は新たな課題を露呈している。
第一に、多重下請け構造の把握が困難である点である。電話連絡のみでは、実際にどの事業者が運送を行っているのか、階層構造として記録することが難しい。
第二に、事務工数の増大である。契約条件の書面交付や管理簿の作成・更新には、相応の作業時間が必要となるが、現場にはそれを専任で担う人材を配置する余裕がないケースも多い。
第三に、コンプライアンス違反のリスクである。記載漏れや更新の遅れが、結果として行政指導や処分の対象となる可能性がある点は、経営上のリスクとして無視できない。
日常業務と法令対応を分断しない設計
こうした背景を受けて、株式会社ロジテックが提供を開始したのが「25アプリ」である。本アプリは、実運送体制管理簿を「別途作成する書類」として扱うのではなく、日常的に行われている配車・連絡業務と一体化させることを前提に設計されている。
案件ごとに、運送依頼情報、元請・下請の構造、実際に運行する車両番号やドライバー情報などをまとめて管理できる点が特徴である。配車業務の中で入力された情報をもとに、実運送体制管理簿に必要な項目が自動的に整理され、データとして保存される仕組みとなっている。
この設計思想は、「現場の手間を増やさず、結果として法令遵守につながる」という点に重きを置いたものといえる。
実運送体制管理簿の自動作成と可視化
25アプリでは、配車依頼時に協力会社や車両情報を入力・連携することで、クラウド上に実運送体制が自動的に可視化される。元請、一次請け、二次請けといった階層構造が整理され、法改正で求められる管理簿として保管される。
これにより、必要なタイミングでの一覧表示や帳票出力が可能となり、管理状況を確認するための作業負荷を軽減する効果が期待される。
業務効率化につながるリアルタイム連携
同アプリは、法対応だけでなく、日々の業務効率化にも寄与する設計となっている。従来、電話やメールで行われていた車番連絡や完了報告をアプリ上で行うことで、ドライバーや協力会社とリアルタイムに情報を共有できる。
紙の受領書回収や問い合わせ対応にかかっていた工数を削減できる点は、現場の負担軽減という観点でも重要である。
25アプリ サービスサイト:https://logi-tech.co.jp/25app/
企業概要
■株式会社ロジテック
本社: 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号新宿センタービル33階
代表: 縄田崇
設立: 2021年4月
資本金: 5,000万円
事業内容:物流プラットフォーム構築事業、アウトソーシング事業、ビジネスマッチング事業
HP:https://logi-tech.co.jp/
■キャムコムグループ
「働く」に関する社会課題をビジネスで解決する会社として、HRテックをはじめ、人材紹介・製造派遣・外国人雇用支援・事務アウトソーシングなど多様なサービスを展開。
代表者: 神保紀秀
創業: 2001年8⽉
売上⾼: 1,251 億円
資本⾦: 6.4 億円
従業員数:2,782 名(派遣スタッフ除く)
拠点数: 143 拠点 *2025 年3 月31 日現在(グループ合計)
HP:https://cam-com.inc/
ZEROICHI編集部が注目した理由
ZEROICHI編集部が本件に注目した理由は、「法改正対応ツール」という枠を超え、物流業界が長年抱えてきた構造課題に対する一つの現実的なアプローチが示されている点にある。
多重下請け構造やアナログ管理は、単なる業務慣行ではなく、業界構造そのものと密接に結びついてきた。25アプリは、それを一気に変革することを謳うのではなく、現場の業務フローに寄り添いながら、結果として可視化と管理を実現しようとする点に特徴がある。
コンプライアンス対応と業務効率化を対立概念としてではなく、同時に成立させようとする姿勢は、今後の物流業界におけるデジタル化の一つの方向性を示しているといえる。
今後の展開と業界への示唆
25アプリは、中小規模の運送事業者から、複数拠点や多数の協力会社を抱える企業まで、利用規模や運用内容に応じたプランが想定されている。現在は実運送体制管理簿の自動作成・更新を中心とした機能構成であるが、今後は物流業界の利便性を高める機能拡張も検討されているという。
法改正をきっかけに、アナログ管理の限界が顕在化する中で、現場に無理を強いない形での対応策がどこまで普及していくのか。本件は、その動向を考える上で一つの参考事例となりそうである。
■原文リリース(参照)
原文リリース発表日付:2026年2月3日
タイトル:貨物自動車運送事業法の改正で義務化の対象が拡大 実運送体制管理簿を自動作成する「25アプリ」を提供開始
原文リリースのURL:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000122213.html
※本記事は、原文から一部編集・要約して掲載しています。
誤解や偏りが生じる可能性のある表現については、原文の意味を損なわない範囲で調整しています。