カップルTech「すきだよ」が向き合う、人間関係という未定義領域の現在地
株式会社すきだよ(東京都豊島区 代表取締役 熱田優香) は、恋人・夫婦・パートナー間の関係性をテクノロジーで支援する、いわゆる「カップルTech」領域において、静かに、しかし確実に存在感を高めている企業である。
同社が展開するAIカップルアプリ「Riamo(リアモ)」は、関係性を感情論や精神論に回収するのではなく、データと対話を通じて“改善可能なもの”として捉え直そうとする点に特徴がある。
本記事では、同社の直近の動きを手がかりにしながら、ZEROICHI編集部がなぜこの取り組みに注目したのか、その背景と社会的な文脈を整理する。
1. 人間関係は、なぜ「自己責任」で語られてきたのか
日本社会において、婚姻関係やパートナーシップは長らく「個人の努力」や「相性」という曖昧な言葉で語られてきた。
しかし一方で、婚姻のおよそ3件に1件が離婚に至る という事実は、個人の問題として片付けるにはあまりに大きな構造的歪みを示している。
関係が壊れた理由は、性格不一致、価値観の違い、すれ違いなどと説明されるが、それらは結果論であり、途中経過の多くは可視化されてこなかった。
ZEROICHI編集部が本件でまず立ち止まったのは、「誰もが大切な人とずっと幸せでいたいと願っているにもかかわらず、そのための技術的介入がほとんど行われてこなかった」という点である。
2.「感情」に踏み込むことを避けてきたテクノロジー
これまでテクノロジーは、効率化・最適化・可視化といった領域では大きな成果を上げてきた。一方で、人間関係、とりわけ親密な関係性に対しては「踏み込みすぎてはいけない領域」として、半ば聖域化されてきた側面がある。
その結果、関係性の維持や修復は、当事者の忍耐や努力に委ねられ、失敗した場合は「仕方がない」と処理されてきた。
株式会社すきだよの取り組みは、こうした前提に対して、「関係性もまた設計・改善の対象になり得るのではないか」という問いを投げかけている。
3.すきだよが実装しようとしているもの
同社のプロダクト「Riamo」は、カップルや夫婦が日常的に対話を重ねる中で、価値観や感情の傾向をAIが分析し、関係性の特徴を可視化する設計となっている。
重要なのは、相手を評価したり、正解を提示したりすることが目的ではない点である。
あくまで、
・どのような話題でズレが生じやすいのか
・どのような場面で感情の摩擦が起きやすいのか
といった「傾向」を、本人たちが認識できる状態をつくることに重きが置かれている。
ZEROICHI編集部が注目したのは、ここに「努力を強いる設計」ではなく、「努力しやすくする設計」が見て取れる点である。
4.編集部としての反省点と再認識
正直に言えば、当初編集部がこのリリースを見た際、「恋愛アプリの延長線ではないか」という先入観があったことは否めない。
しかし読み解いていく中で、それが単なるマッチングや娯楽の文脈ではなく、社会に内在する人間関係の歪みに正面から向き合おうとする試み であることが見えてきた。
「婚姻3件に1件が離婚する」という数字は、センセーショナルに使われがちである。しかし本来問うべきは、その背景にある構造である。
誰もが「大切な人と幸せでいたい」と願いながら、その方法論を持たなかった。この空白に対し、データとAIで仮説を立て、改善可能性を提示しようとする点こそが、本件の核心であると編集部は認識を改めた。
5.カップルTechは「市場」ではなく「インフラ」になり得るか
株式会社すきだよの取り組みは、短期的にはスタートアップとしての成長ストーリーとして語られるだろう。
しかし長期的に見れば、これは恋愛や結婚を支援するサービスというより、「人間関係のメンテナンスを支えるインフラ」への挑戦に近い。
関係性が壊れる前に気づく。
壊れた理由を個人の失敗に還元しない。
そのための補助線を、技術で引く。
この思想は、恋愛領域にとどまらず、家族、チーム、組織といった他の関係性にも波及する可能性を持っている。
会社概要
会社名:株式会社すきだよ
設立:2019年9月
所在地:東京都豊島区池袋3-34-7
コーポレートサイト:https://sukidayo.co.jp/
受賞歴:東洋経済「すごいベンチャー100」、日経クロストレンド「未来をつくる100社」に選出。
▼ サービスサイト
https://sukidayo.co.jp/riamo
▼ App Store (iOS):
https://apps.apple.com/us/app/riamo-couple-relationship/id6744003738
▼ Google Play (Android):
https://play.google.com/store/apps/details?id=app.product.sukidayo
6.ZEROICHI編集部が本件を取り上げた理由
本記事を通じて明確にしておきたいのは、ZEROICHIがこの取り組みを「夢のある話」としてではなく、「社会設計の変更点」として捉えているという点である。
・人間関係は改善できるものなのか
・テクノロジーは感情にどこまで踏み込めるのか
・個人の努力に委ねてきた領域を、社会としてどう支えるのか
株式会社すきだよの挑戦は、これらの問いに対する一つの具体解を提示し始めている。その現在地を記録する意義は大きいと判断し、本記事として取り上げた。
終わりに
関係性を「運命」や「相性」で終わらせない。
壊れた後に後悔するのではなく、壊れる前に手を打つ。
その思想が、どこまで社会に受け入れられるかは未知数である。しかし少なくとも、「言語化されてこなかった課題に、技術で触れようとしている」という事実は記録に値する。
株式会社すきだよの動きは、まだ始まったばかりである。
■原文リリース(参照)
原文リリース発表日付:2026年1月14日
タイトル:カップルTechのすきだよ、シードラウンドにて総額8,500万円の資金調達を実施
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000053340.html
※本記事は、原文から一部編集・要約して掲載しています。
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