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地球温暖化を止める「ダイヤモンド半導体」の可能性。堀江貴文×佐賀大学・嘉数誠教授

佐賀大学理工学部の嘉数誠教授が挑む、次世代の「ダイヤモンドパワー半導体」。本対談の第1回では、地球温暖化の要因ともなる「無駄なエネルギー」と、それを解決しうるダイヤモンドの圧倒的なポテンシャルについて、実業家の堀江貴文氏が迫る。

・その2:午前9時と午後5時の大発見!「不可能」を覆したドーピング技術

・その3:計算上5万倍の省エネと宇宙ビジネス。実用化へのラストピース

九州の縁と「猛暑」から始まる対談

堀江貴文(以下、堀江):はい、よろしくお願いします。

佐賀大学理工学部 教授 嘉数誠(以下、嘉数):ありがとうございます。本日はホリエモンチャンネルにお呼びいただきましてどうもありがとうございます。

堀江:ありがとうございます。

嘉数:嘉数(かすう)と申します。よろしくお願いいたします。

堀江:珍しい苗字ですね。

嘉数:そうですね。両親は岡山ですが、今は佐賀大学に勤めています。佐賀にいると「嘉」という字は多く出てきます。九州に多い漢字かなと思います。堀江さんは九州ご出身ということで、結構地元では話題になるんですよ。

堀江:はいはい。

嘉数:今日もすごい暑さなんですけれども、今日のダイヤモンドの話は、この暑さと関係があります。

堀江:あ、そうなんですね。

「無駄なエネルギー」と地球温暖化のメカニズム

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嘉数:世界の平均気温ですが、年々上がっていますよね。

堀江:はい。

嘉数:大体100年で1度程度のペースで上がっているらしいのですが、ご存知のように、これは地球温暖化です。今日のこの暑さも、地球温暖化の影響だと思うんですけれども。

堀江:はい。

嘉数:今日のお話の流れなんですが、世の中では新幹線ですとか、電気自動車等で、最近いろいろと電気エネルギーが使われていますよね。実はその中で「パワー半導体」がたくさん使われているんです。

堀江:はい。

嘉数:そのパワー半導体がどういう使われ方をしているかというと、ある電気機器の中において、入力された電気エネルギーが入ってきて、その電流や電圧を変えて出力し、モーターを回したり、いろんな電気機器を動かしたりしているんですけれども、どうしてもそこで熱の損失が出てしまうんですよね。無駄なエネルギーなんです。

堀江:はい。

嘉数:この無駄なエネルギーが実は熱になって、最初にお話しした地球温暖化に悪影響としてつながっているということなんですね。

堀江:はい。

半導体の基礎とシリコンの限界

嘉数:機器の中にはこのようにいっぱいパワー半導体が入っているのですが、半導体についてはお分かりになりますか?

堀江:あー、はいはい。

嘉数:物質には導体と絶縁体がありまして、電気の流れやすさによって分類されています。導体は金属のように電気が流れやすいもので、絶縁体はガラスのように電気が流れないものですが、半導体はその中間の性質を持つものです。電気が流れたり流れなかったりさせることができるんです。

光を当てたら電気が流れて、当たらないと流れないといった使い方がされていて、これを使っていろんな機器が動いているのですが、その一つがパワー半導体なんですね。それで、いよいよダイヤモンドの話になるのですが、世の中のほとんどの半導体って、実はシリコンという材料でできているんです。

堀江:はい。

シリコンの33倍、ダイヤモンドが秘める異次元のスペック

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嘉数:ところがですね、ダイヤモンドというと、どんなイメージをお持ちですか?

堀江:いや、別にイメージはないです。

嘉数:ないですか。

堀江:はいはい。

嘉数:一般の方はダイヤモンドというと宝石と思われるんですが、実はダイヤモンドは半導体なんです。

堀江:はい。

嘉数:その証拠として「結晶構造」という原子の配列があります。原子が結晶の中でどう並んでいるかということなんですが、シリコンもダイヤモンドも同じ並び方をしているんです。

堀江:はい。

嘉数:ただ、シリコンの場合はケイ素という原子で、ダイヤモンドはご存知かと思いますが炭素が並んでいる。それだけの違いなんですね。ところが、シリコンとダイヤモンドを比べてみると、「バンドギャップエネルギー」というエネルギーの強さのようなものが、ダイヤモンドは5倍もあるんです。

堀江:うーん。

嘉数:そこから、絶縁破壊電界が33倍であったり、熱の伝えやすさがシリコンよりも17倍大きいとか、放射線に対してもシリコンより10倍強いとか、いろんな優れた特性を持っています。それが非常に高性能なパワー半導体の特性につながってくるということです。

先ほど絶縁破壊電界が大きいとお話ししましたが、少しわかりにくいかもしれません。半導体は外から電圧をかけて使うのですが、高い電圧になると結晶が壊れてしまいます。それで特性が決まってしまうのですが、ダイヤモンドは33倍の電圧をかけても壊れません。

そこから、高い電圧をかけられる、高い電流を流すことができるといったことにつながるので、大電力でエネルギー効率が良く、無駄なエネルギーを出さないパワー半導体になるということがわかってきます。

その2に続く

嘉数 誠(Makoto Kasu)
株式会社ダイヤモンドセミコンダクター最高技術責任者(CTO)、佐賀大学特任教授、名誉教授。
東京都出身。京都大学大学院博士課程電気工学専攻修了、博士(工学)。NTT研究所勤務後、2011年佐賀大学教授。2025年株式会社ダイヤモンドセミコンダクターを設立。2026年佐賀大学特任教授(現職に至る)。

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