堀江貴文氏は7月30日、サンバイオ株式会社の森敬太社長を取材。再生細胞医薬品の開発などについて話を聞いた。とある部分の再生が可能になると実現する夢の世界とは…!?(初回配信:2019年8月26日)
脳の再生は、体全体の再生(若返り)になる
堀江 僕が、さっき「どの部位でも再生できるんですか?」って聞いたのは、視床下部のようにホルモンの分泌をコントロールする重要な部位も再生が可能なのかなと思ったからなんです。これは、この対談シリーズでサーチュイン(長寿遺伝子)を研究している米国ワシントン大学教授の今井眞一郎先生に聞いた話なんですが、「視床下部にあるサーチュインが、骨格筋に指令を出していて、筋肉が老化するのは筋肉だけの問題ではなく、脳が老化するのも原因のひとつ」らしいんです。
森 そうなんですね。
堀江 それで、老化って骨格筋とかなり関係があるなと思ったんですよ。例えば、表情筋。表情筋が活性化すれば、明らかに若く見えますよね。あとは老眼。老眼の原因って、毛様体筋という目の中の筋肉の働きが衰えるからで、毛様体筋を活性化できれば老眼になりにくくなるんじゃないかと思うんです。
森 脳の再生だけでなく、脳から体全体に指示を出しているので、体全体の再生(若返り)ができるんじゃないかということですね。
堀江 なんかそんな気がするんです。
森 あと、やはり免疫系が老化のかなりの部分を誘引しているんじゃないかと言われています。
堀江 そうそう。例えば、若いマウスの免疫系を歳をとったマウスに移植したら、めちゃくちゃ若返ったみたいな研究がありますよね。だから、若くて元気な人の免疫系を培養して、大量生産するようなことも考えられます。おそらく、老化を遅らせるのは、脳の再生や免疫系の入れ替え、外科的なレーザー治療など、複合的にやっていくべきだと思うんです。そうすれば「元気で長生きできる社会」が作れるのかなと。
森 そうですね。
堀江 僕は「脳の再生」なんてもう少し時間がかかるのかなと思っていたんですけど、もうすぐできちゃうんですね。
森 今、全力で取り組んでいるので……19年かかりましたけど、もう近いのかなと思います。
堀江 本当に頑張ってください。今日は貴重なお話をありがとうございました。
森 こちらこそ、ありがとうございました。
Photograph/Edit=柚木大介 Text=村上隆保
森 敬太 Keita Mori
サンバイオ株式会社 代表取締役社長 1967年生まれ。東京大学農学部卒、同大学大学院院農学系研究科終了。その後、米カリフォルニア大学バークレイ校でMBA(経営学修士)を取得。1993年に「麒麟麦酒株式会社」に入社。2001年に米国で「SanBio, Inc.」を設立。2013年に日本法人「サンバイオ株式会社」を設立し、2014年に日本法人を親会社化。日米での事業展開を推進する。