WITH

「気泡とプラズマで、がん細胞を死滅させる」【世界が注目する山西陽子氏の研究とは?その4】

堀江貴文氏は4月23日、芝浦工業大学の山西陽子氏(当時)を取材。世界が注目する研究について話を聞いた。(初回配信日:2015年4月27日)

パワープレイで早くやらねば、世界に勝てない

堀江 例えば、京都大学は「iPS細胞研究所」を建てて投資をバーンとして研究をしていますけど、あれくらいやらないと世界との競争には勝てない。今、この研究に世界の注目が集まっているということは、みんなそういう形で注目しているんだと思います。

山西 スピード感が必要ということですね。

堀江 アメリカ人は、パワープレイをすぐにやってきますよ(笑)。日本は今までパワープレイが得意じゃなかった。だけど、これからはできるようになると思います。政府じゃなくても、民間でお金を持っているところはたくさんあるし、そういうお金の出し方ができるようになってきた。ファンドのお金って、研究費のように面倒くさい申請書とかいらないんですよ。投資家がその価値を理解すれば、すぐにポンと出しますから。

山西 そうなんですか……。

DSC_0873

堀江 ただ、そこでミスマッチが起こってるんです。今回の研究だって、山西先生から話を聞いて、すぐに理解できるファイナンシャル系の人って、ほとんどいないでしょう。もう99%いないと思いますよ(笑)。

山西 (笑)

堀江 だから、僕が今やっているのは、そこをつなぐことなんです。やっぱり新しい技術や画期的な研究は、なるべく早く世の中に役立つ技術になってもらいたい。だって、僕も早く、針なし注射器で痛くない注射を打ってもらいたいですから。

山西 そうですよね(笑)。

堀江 この対談もそういう目的を持ってやっているんです。それが、どれだけの人に伝わっているかはわかりませんが……。とにかく、先生の研究を応援しています。今日はお時間をいただいて、本当にありがとうございました。

山西 いえいえ、こちらこそ、ありがとうございました。

その1はこちら

Photograph/Edit=柚木大介 Text=村上隆保

山西陽子(Yoko Yamanishi)

芝浦工業大学工学部機械工学科 准教授(当時)。2003年ロンドン大学インペリアルカレッジ機械工学科熱流体専攻Ph.Dコース終了。東北大学大学院工学研究科バイオロボティクス専攻 助教、名古屋大学大学院工学研究科マイクロ・ナノシステム工学専攻 准教授を経て、2013年より芝浦工業大学工学部にて准教授となり、山西研究室を開設する。科学技術振興機構の研究推進事業さきがけの兼任研究員。