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「間が合う」とは何か? 【東工大大学院教授・三宅美博が語る コミュニケーションの質と未来への応用 その2】

堀江貴文氏は2月27日、東工大大学院教授の三宅美博氏を取材。「コミュニケーション」の質や応用などについて話を聞いた。(初回配信日:2017年2月27日)

人は意識下で自然と同調する仕組みがある

三宅 そして次に、こんな実験をしました。Aさんがボタンを押すと、Bさんのヘッドホンから音が鳴ります。Bさんがボタンを押すと、Aさんのヘッドホンから音が鳴ります。前の実験ではメトロノームのリズムに合わせましたが、今度はお互いの音が「ピッ、ピッ、ピッ……」と完全に合うような状況を作ってもらう。

堀江 はい。

三宅 そうすると、最初は音がズレているんですが、時間とともにだんだんそのズレが少なくなってきて、約1秒間隔くらいで「ピッ、ピッ、ピッ……」と揃ってくる。そして、実験データを見ると、2人の音がどのように揃っていったかがわかる。「2人の時間が共有されていく過程」や「AさんとBさんをつなぐ世界」が見えてくるんです。

堀江 面白いですねえ。

三宅 じゃあ今度は、その「2人のつながる仕組みとは何か?」が問題になってくる。堀江さんは、「自分の体が他の人の体と同調すること」ってあります?

堀江 なくはないと思います。

三宅 例えば、どんなのがあります?

堀江 なんだろう……うなずく、とか?

三宅 そう。例えば、この対談の映像を早送りで見ると、堀江さんと私が同じようなタイミングでうなずいていることがわかるはずです。

DSC_0447

堀江 あー、そうですね。

三宅 他にも「歩く」というのもあります。

堀江 一緒に歩く。

三宅 普段はあんまり意識していないけれども、一緒に歩くということは相手に同調しているわけです。このように、人は意識下で自然と同調する仕組みがあって、この仕組みを使うと自然と間が合うということがわかってきたんです。

堀江 なるほど。

その3に続く

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三宅美博 Yoshihiro Miyake

東京工業大学大学院総合理工工学研究科教授。1959年生まれ。東京大学大学院薬学系研究科博士課程終了後、金沢工業大学助教授、東京工業大学大学院准教授を経て、現職に。共創システム、コミュニケーション科学、認知神経科学などが専門。

Photograph=川尻翔太 Edit=柚木大介 Text=村上隆保