WITH

「アンモニアの常圧合成が農業を救う⁉︎」 【東工大・細野秀雄教授が語る 材料工学の現在と未来 その4】

堀江貴文氏は12月19日、東工大の細野秀雄氏を取材。「材料工学」の現在と未来などについて話を聞いた。(初回配信日:2016年12月28日)

実用化の前段階まで進んでいる常圧アンモニア合成

細野 それから、作った液体アンモニアを直接、畑にまくというのもある。肥料になりますからね。

堀江 なるほど。

細野 だから今、アンモニアが一番必要なのは農業だと思うんです。例えばODAなどでアフリカの開発途上国に農機具など送る時に、アンモニア合成施設を一緒に造ってあげる。そうすると、アンモニアをまきながら農地を作ることができる。そういうニーズがあると聞きました。

堀江 化学肥料ではなく、アンモニアをそのまままいちゃう。

細野 だからアンモニアの研究は盛んになりつつあるのです。

堀江 アンモニア合成の研究はどれくらいまで進んでるんですか? 実用化できそうな感じなんですか?

細野 実用化の前段階まではきています。

堀江 実用化の前段階っていうのは、研究室レベルでそれなりにアンモニアが作れるようになったということですか?

細野 研究室では、かなりいい線までいってます。ただ、研究室から実用化までの間が、結構、大変なんです。IGZOもそこをやったのは、やっぱり大企業ですから。実用化にまでするのは、やはり企業じゃないと。大学では無理ですよね。

t4992x3292-00042

その1はこちら

この続きはメルマガで全文ご覧いただけます。登録はコチラ

Photograph/Edit=柚木大介 Text=村上隆保

細野秀雄 Hideo Hosono

東京工業大学教授、工学博士。1953年生まれ。埼玉県出身。東京都立大学大学院工学部博士課程終了。名古屋工業大学助教授などを経て、1999年に東京工業大学教授に。現在は東京工業大学 科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所教授、元素戦略研究センター長。ノーベル物理学賞の有力候補といわれている。