堀江貴文氏は3月7日、理化学研究所の尾坂格氏 (当時) を取材。「発電」の未来などについて話を聞いた。(初回配信日:2016年3月14日)
宇宙開発は軽さが重要。塗る太陽電池には多くの可能性が秘められている
堀江 あと、宇宙でも使えますよね。宇宙開発では何が一番重要かというと“重さ”なんです。宇宙ロケットには大体、打ち上げ重量の100分の1以下のペイロード(積載物)しか積めないんです。軌道上に打ち上げられるのは100分の1以下なんです。だから、100tのロケットだったら1t以下。ものすごく効率が悪いんですよ。
尾坂 へー。
堀江 だから、太陽電池の重量が軽くなるということが、ものすごく助かるんです。この“塗って作る太陽電池”はシリコン型よりも軽いわけですよね。
尾坂 圧倒的に軽いです。
堀江 ということは、単位重量あたりの発電量はシリコンよりも良いということですよね。
尾坂 計算したことないですけど、10分の1以下にはなるんじゃないですか?
堀江 逆に言うと、シリコン型の太陽電池の10倍積めるということですよね。
尾坂 まあ、そうですね。
堀江 例えば、宇宙のメリットって広いということなので、塗って作る太陽電池をキレイに折りたたんで、宇宙に行ったらバーっと広げて東京ドーム1個分くらいの太陽電池を浮かべたら、ものすごい発電量になるんじゃないですか? それに、宇宙空間だと発電効率も良くなりますよね。
尾坂 5倍以上にはなりますね。
堀江 それって、ものすごいメリットじゃないですか。一大ビジネスになりますよ。それからソーラーセイル。
尾坂 ソーラーセイル?
堀江 宇宙で使う超薄型の太陽電池みたいなものです。
尾坂 ああ。
堀江 金星の周回軌道を飛行する『あかつき』という探査機がありますよね。あれと一緒に飛ばした宇宙ヨット『イカロス』というソーラーセイル実証機があるんです。
尾坂 はい。
堀江 塗る太陽電池をイカロスに使えば、もっといろいろなことができるんじゃないですか?
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Photograph/Edit=柚木大介 Text=村上隆保
尾坂格 Itaru Osaka
工学博士、理研上級研究員 (当時) 。1975年生まれ。岡山県出身。2002年、筑波大学大学院工学研究科修了後、富士フイルム研究員、カーネギーメロン大学博士研究員、広島大学大学院工学研究科助教を経て、2013年に理化学研究所創発物性科学研究センター上級研究員に。2014年からは筑波大学客員准教授を務めている。