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広報専用AI『広報AI』、6月5日より提供開始 ― 「メディア掲載されやすいプレスリリース」を生成&採点

株式会社メタリアル(本社:東京都千代田区、代表取締役:五石順一)は、広報担当者の「掲載されない」課題をAIで支援する新サービス『広報AI』を2025年6月5日より販売開始した。プレスリリースの自動生成だけでなく、掲載可能性のスコア化による採点機能を備えたものとして、独自性を打ち出している。
本リリースも実際に『広報AI』を使って作成されたとされ、同社の自信を反映している。まず注目すべきは、6つの客観基準(話題性・消費者視点・データ裏付け・導入部の魅力・市場インパクト・独自性)から、掲載可能性を70%の精度で予測するという採点機能である。

広報現場では「リリース出しても掲載確率10%以下」と感じる担当者が63%にのぼったという実地調査結果も示され(100名対象)。
一方で、生成部分も複数のAIエージェント同士が“雑談”しながら言葉を練る仕組みを導入。まるで人が書いたかのような自然な表現と構成を目指すとする。ただし「人間並み」という記述には過大感が否めず、実際の成果とユーザー体験の乖離には注意が必要である。

提供開始にあたり、7日間の無料トライアルによって、広報未経験者でも「手軽に試せる」環境を整えている。料金プランは、5,000円で月15本までの採点プランと、8,000円で生成・採点セットプラン(最大30回)という構成である。
記者発表会では、旅行アプリNEWTやKDDI系の広報担当者が登壇し、「作成に1本2週間かかっていた」実体験が引用された。多忙な“ひとり広報”の現場にとって、初期ドラフトの大幅短縮(従来3時間→15分)や掲載率アップが現実的な価値をもたらす可能性があるとの期待が示された。

ZEROICHI編集者の注目ポイント

  • 「掲載されない」ストレスに着目:広報担当者が抱える“埋もれる苦悩”に寄り添い、共感の土台を築いている点が秀逸である。
  • スコア機能の可視化:掲載可能性の「見える化」は、PDCAを回す広報にとって次の一歩を踏み出しやすくする実装で興味深い。
  • “AIの雑談”による自然な表現:複数エージェント間で対話させる設計はユニークであり、他の生成AIとの差別化になり得る。
  • 現場ユーザーのリアルな声を登場させた点:リリースにとどまらず、リアルな困りごとが議論されたトークセッションを挿入したことで説得力が増している。
  • 懸念点も視野に:AI生成にはまだ検証が必要な領域があるため、成果と表現のギャップに注意を促す姿勢も重要であろう。