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病院の「電話がつながらない」は、なぜ起き続けるのか

AIが一次対応を担う「medigle AI電話」が示す、医療現場の業務再設計

メディグル株式会社(大阪府大阪市 代表取締役 中嶋秀樹)は、病院における電話業務の負担軽減と機会損失の防止を目的とした新サービス「medigle AI電話」を正式にリリースした。診療予約や健診、人間ドック、地域医療連携に関する問い合わせなど、病院に日常的に集中する電話対応をAIが一次受けすることで、医療現場が長年抱えてきた「電話がつながらない」という構造的課題に手を入れる取り組みである。

本件は、AI技術そのものの新しさを語る話ではない。むしろ、医療現場で当たり前のように起きてきた業務の詰まりを、どう現実的にほどくかという「運用設計」の話である。電話という一見地味な業務に焦点を当てている点にこそ、医療現場の持続性を考える上での意味がある。

電話業務が抱える「見えにくいリスク」

多くの病院では、電話が午前中に集中し、限られた人員ではすべての着信に対応しきれない状況が日常的に発生している。この「つながらない」状態は、単なる不便さにとどまらない。

患者や紹介元医療機関の満足度低下、紹介患者の取りこぼしによる機会損失、電話対応に追われる職員の疲弊やストレス増大など、経営と現場の両面に影響を及ぼすリスクが積み重なっていく。しかし、こうした問題は数値化しにくく、慢性化しやすいため、後回しにされがちでもあった。

一次対応をAIに委ねるという発想

「medigle AI電話」は、病院スタッフに代わってAIが電話の一次対応を担い、用件をヒアリング・記録・整理するサービスである。通話内容は音声とテキストで自動的に記録され、一覧で管理できる形に整えられる。

重要なのは、すべてをAIが完結させるのではなく、人がすぐに対応すべき緊急性の高い電話と、後から計画的に対応できる電話を整理する点にある。これにより、電話業務全体の“交通整理”が行われ、スタッフは内容と優先度を把握したうえで対応できるようになる。

「追われる業務」から「計画できる業務」へ

従来の電話対応は、鳴り続ける着信にその都度応じる「追われる業務」になりやすかった。対応に時間を取られることで、目の前の診療や事務作業が中断され、現場の集中力が削がれる。

AIが一次対応を担うことで、スタッフは通話の要点を確認し、優先順位をつけたうえで対応できる。例えば予約関連の電話では、従来1件あたり約15分を要していた対応時間を、内容確認を含めて約3〜5分に短縮できるケースがあるとされている。これは、業務効率そのものだけでなく、心理的な余裕の創出にもつながる。

患者・スタッフ・経営の三者に波及する効果

「medigle AI電話」が目指す価値は、単一の立場に偏らない点にある。患者や紹介元医療機関にとっては、電話がつながらないストレスの軽減と、病院への信頼感向上につながる可能性がある。スタッフにとっては、鳴りやまない電話やクレーム対応から解放され、目の前の業務に集中できる環境が整う。

経営面では、紹介や予約の取りこぼしを防ぎ、生産性の向上を通じて収益機会を守る効果が期待される。いずれか一方だけを最適化するのではなく、三者のバランスを取ろうとする設計思想が読み取れる。

会社概要
会社名:メディグル株式会社
所在地:大阪府大阪市西区江戸堀1-22-17
代表者:代表取締役 中嶋 秀樹
事業内容:地域医療連携を軸とした病院経営改善クラウドサービス、BPOサービスの提供
URL:https://medigle.jp/index.html

■medigle AI電話とは
「medigle AI電話」は、スタッフに代わってAIが電話の一次対応を行い、用件をヒアリングします。 通話内容は音声とテキストで自動記録され、一覧での管理が可能です。
人がすぐに対応すべき緊急性の高い電話と、後から計画的に対応できる電話を整理することで、電話業務全体の“交通整理”を実現します。

サービスURL:https://medigle.jp/aiphone.html

ZEROICHI編集部が注目した理由

ZEROICHI編集部が本件に注目した理由は、「AIで医療を変える」という大きな主張ではなく、医療現場の日常業務に潜む詰まりを、現実的な形で解消しようとしている点にある。電話業務は、医療の質そのものではないが、医療を支える前提条件である。そこが機能不全に陥ると、現場の疲弊と機会損失が連鎖する。

「medigle AI電話」は、その前提条件を再設計し、業務を持続可能な形に組み替えようとする試みである。派手な技術革新よりも、現場の負担と信頼の回復に焦点を当てている点が、今整理しておくべき動きだと編集部は判断した。

医療DXは「一部の業務」から始まる

医療DXは、電子カルテや診療システムといった中核領域から語られることが多い。一方で、電話対応のような周辺業務が滞ったままでは、現場全体の改善は進みにくい。medigle AI電話は、こうした周辺業務から着実に手を入れるアプローチを取っている。

同社は、全国600を超える病院への導入実績を持つ地域医療連携支援の知見を背景に、今後はWEB予約システムなどとの連携も視野に入れ、診療に至るまでの業務フロー全体の改善を目指すとしている。

小さな改善が、信頼を支える

病院に電話がつながるかどうかは、患者にとっては最初の接点であり、信頼の入口でもある。その入口が滞ると、医療そのものとは別の理由で不信や不満が生まれてしまう。「medigle AI電話」が取り組むのは、その入口を安定させるための仕組みづくりである。

医療現場の持続性は、こうした小さな業務の積み重ねによって支えられている。AIを用いた一次対応は、その積み重ねを現実的に支える一つの選択肢として位置づけられる。

■原文リリース(参照)
原文リリース発表日付:2026年1月22日
タイトル:病院の”電話がつながらない”を解消。24時間365日一次対応する「medigle AI電話」を正式リリース
原文リリースのURL:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000103131.html

※本記事は、原文から一部編集・要約して掲載しています。
誤解や偏りが生じる可能性のある表現については、原文の意味を損なわない範囲で調整しています。