堀江貴文氏は、「天美卵」という1個100円の卵を全国へと販売する傍ら、地域に根差した六次産業を推進する大江ノ郷自然牧場の社長・小原利一郎氏に、大江ノ郷自然牧場の名前が知れ渡るようになるまでの経緯や、複合施設「大江ノ郷ヴィレッジ」&閉校を活用した里山リゾートホテル「OOE VALLEY STAY」が高い人気を誇る理由について話を聞いた。
大江ノ郷自然牧場が手がける人気の六次産業とは?
堀江 「大江ノ郷自然牧場」さんは、カフェ「ココガーデン」の他に体験施設(「大江ノ郷ヴィレッジ」)もありますよね。コロナ前はどうだったんですか?
小原 基本的にはファミリー層が多かったです。若いご夫婦が小学生くらいのお子さんと一緒に来てくださっていました。
堀江 それでパンケーキを作ったり?
小原 パンケーキはちょっと難しいので、ケーキやうどん作りなどを体験してもらっていました。コロナが収束したら再開したいなとは思っています。今、体験ができないぶん、商品の地方発送が多くなっているんですよ。それで、体験施設の場所を発送商品の管理場所に使っています。
堀江 そうか。なんか「体験施設がないなあ」と思ったんだよな。あと、宿泊施設もあるんですよね。
小原 はい。リノベーションしたホテルがあります。ここから2、3㎞いった場所にあるんですけど、行ってみますか?
堀江 ぜひ。
(〜宿泊施設に移動〜)
小原 この宿泊施設「OOE VALLEY STAY(オオエ バレー ステイ)」は2019年のオープンなんです。コロナの前年だったので、もうずっと超低空飛行ですよ。
堀江 あれ、思ってたのとなんか違うなあ。この宿泊施設はもともと校舎ですか?
小原 そうです。平成4、5年に建てられたものなので、築30年くらいでしょうか。でも、廃校になってしまったんです。
堀江 そうでしょうね。
小原 それで、梁とか全部とって今風の宿泊施設にしました。学校だったので、エレベーターを後からつけたんです。
堀江 そうか。学校にはエレベーターないですもんね。
小原 あと、エアコンもついてませんでした。
堀江 学校って、かたくなにエアコンつけないですよね(笑)。
小原 この宿泊施設は、部屋が全部違うんですよ。ちなみに、ここが一番いいお部屋です。
堀江 かっこいいなー。調度品がすごいですね。
小原 地元の陶芸作家さんの作品を置かせていただいたりしています。お風呂は中二階にあります。
堀江 おもしろい!
小原 こっちがシングルルームです。
堀江 和室だ。しかも、檜風呂がある。
小原 女性に好まれそうな感じにしてみました。
堀江 結構、お金がかかったんじゃないですか?
小原 当初の予算の倍になっちゃいました。この渡り廊下を渡っていただいて……。
堀江 いやー、思っていたよりもすごすぎる。
小原 ここは体育館です。ボルダリングの設備もあるんです。体育館があれば全天候型で楽しめるんですよ。山陰地方はどうしても雨が多いので、こうした室内の遊び場があるとお客さんの満足度も違うと思ったんです。
堀江 バスケットゴールがあるから、試合もできますね。
小原 そうですね。で、外のグラウンドには芝生が敷いてあります。
堀江 じゃあ、バーベキューができますね。
小原 ここでは、グランピングができます。今、人気なのは焚き火です。
堀江 いやいやいや、これはすごい。感動しました。
小原 この宿泊施設はパック料金なんです。例えば、体験をして、食事をして、焚き火もやって、泊まるってなると、気がついたら結構なお金がかかってたりするじゃないですか。ここも最初はそうしてたんですが、今はオールインクルーシブなんです。体験も食事も宿泊も全部含めての料金設定にしています。そのほうが安心して楽しんでいただけるのかなと思ったんです。
堀江 たしかに。いやー、でも面白いなあ。すごく勉強になりました。本日はありがとうございました。
小原 こちらこそ、ありがとうございました。
小原利一郎(Riichiro Ohara)
「大江ノ郷自然牧場」社長。1965年生まれ。鳥取県出身。専門学校卒業後、県外の養鶏場で働くも、近代型養鶏に疑問を感じ、サラリーマンへ。その後、平飼い養鶏の夢を叶えるため、地元鳥取へと戻り、「大江ノ郷自然牧場」を創業。「天美卵」として一個100円の卵として全国へと販売する傍ら、地域に根差した六次産業を推進するとともに、自然循環型農業へ取り組む。
2009年、卵の専門店「ココガーデン」を開店。2016年に農と食のナチュラルリゾートをコンセプトとする複合施設「大江ノ郷ヴィレッジ」、2019年には閉校を活用した里山リゾートホテル「OOE VALLEY STAY」を開業。