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「鋼ほどの硬さのガラス」を開発 【東大・増野敦信助教が語る最新のガラスの秘密とは?その4】

堀江貴文氏は3月28日、東京大学の増野敦信氏 (当時) を取材。「最新のガラス」の秘密などについて話を聞いた。(初回配信日:2016年4月4日)

人間の力では、まず割れることはない

堀江 いったいどのくらいの力をかけたら割れるんですか?

増野 実験では油圧プレス用のジグを持ってきて、10メガパスカルくらいの力をかけました。つまり100気圧程度の力です。だから、人間の力ではまず割れません。スマホのカバーガラスに使うのが一番いいと思うんですけど、ここまで割れないと他のところにも使えるんじゃないかと思っています。今のところは、カバーガラスくらいしかアイデアがないんですけどね(笑)。

堀江 宇宙船とかはどうですか? 透明な部分が増やせますよ。

増野 そうですね。もともと「きぼう」関連で出てきた技術を使っているので、宇宙で使えるといいと思っているんですけどね。

堀江 宇宙船のボディがこれになると……。

増野 眩しくてしょうがないですね(笑)。

堀江 あとは実験装置とかでもいいんじゃないですか? 実験とかで割れないガラスの容器があると便利ですよね。難しいですけど、何か思いついたら提案しますよ。

増野 ぜひお願いします。ガラスは古い材料なので、なかなか新しいアイデアが出にくいんです。今回、我々が作っているガラスは非常にシンプルな組成なので、今後、組成をいじる余地はいっぱいあります。今は小さいものしかできませんが、組成を工夫することで大きなサイズのものも作れるようになるはずです。そうなると、使える用途もさらに広がると思っています。

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堀江 ガラス以外は何かやられているんですか?

その1はこちら

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Photograph/Edit=柚木大介 Text=村上隆保

増野敦信 Atsunobu Masuno

東京大学生産技術研究所助教 (当時) 。1975年生まれ。大阪府出身。1999年、京都大学理学部卒業。2006年、宇宙航空研究開発機構(JAXA)研究員。2007年、東京大学生産技術研究所助教に就任。