堀江貴文氏は11月9日、天文学者の成田憲保氏を取材。「系外惑星観測」の未来などについて話を聞いた。(初回配信日:2015年11月12日)
10年後には、生命居住可能惑星の候補リストを作っておきたい
堀江 そういえば、無人探査機『ニューホライズン』が送ってきた冥王星の写真はすごかったですね。
成田 「冥王星の青空」は、すごくキレイでいい写真でした。
堀江 やっぱり、近くに行くと思っていたのと全然違ったりするんですね。
成田 違いますねー。
堀江 「ヘリオスフィア(太陽系圏)」の外側って、また別の恒星系の何かがあったりするんですよね?
成田 そうでしょうね。「カイパーベルト天体(海王星の軌道より遠い天体)」とか、その先の「オールトの雲(太陽系を取り巻く天体群)」とかの実物写真が見られたら、すごいと思いますよね。
堀江 そうでしょうね。
成田 何年先か、ちょっとわからないですけど。
堀江 実は、僕が何を考えているかというと、もし、10光年くらいの範囲で生命がいる可能性が非常に高い星があるとわかったら、探査機とか……。
成田 飛ばしたい。
堀江 そうですね。
成田 じゃあ、テスをフォローアップするような望遠鏡を1個作ってみませんか? 自分でその惑星を見つけるところから始めるんですよ。
堀江 なるほど。それで、その惑星に自分の名前をつけると。
成田 ええ。
堀江 いいですねー。でも、今はそこまでの資金力はないから、まずは小惑星からですね。小惑星の資源探査をやりたい。
成田 資源は何を考えているんですか?
堀江 欲しいのはウランなんですけど、商売になるのはレアメタルですよね。
成田 でしょうね。ただ、行くのはいいけれど、帰ってくるのが難しいですよ。サンプルリターンが難しい……。
堀江 だから、NASAも計画してますけど、小惑星の軌道を変えるしかないですよね。
成田 ああ、そうですね。
堀江 コンパクトなレアメタルの星を見つけて、そこにミニプラントを持って行って、燃料を製造して、小型のエンジンをつけて、小惑星の軌道を変えて地球に落とす。
成田 落とすっていうのは、怖いですけどね(笑)。
堀江 アポロだって地球に戻ってきたわけですから、精密誘導すればできなくはないですよ。オーストラリアの砂漠かなんかがいいんじゃないですかね。
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Photograph/Edit=柚木大介 Text=村上隆保
成田憲保(Norio Narita)
天文学者、アストロバイオロジーセンター特任助教(当時)。1981年生まれ。千葉県出身。東京大学大学院博士課程修了後、日本学術振興特別研究員、国立天文台研究員を経て、国立天文台特任助教に。2015年から現職。専門分野は太陽系外惑星の観測と装置開発。太陽以外の恒星にある惑星がその親星の前を通過する食の現象を用いて、惑星の大気や起源を調べている。