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「人と人の間でテレパシーみたいに 一方の人の考えを読み出すことはすぐにできるかも」 【神経科学者・竹田真己が語る「神経回路」研究の最前線 その2】

堀江貴文氏は7月6日、神経科学者の竹田真己氏を取材。「神経回路研究」の最前線などについて話を聞いた。(初回配信日:2015年7月6日)

脳は断層的になっていて、低次から高次の領域に情報が進む

堀江 どういうふうに蓄えられているんですか?

竹田 脳はすごく階層的な構造になっていて、低次の領域から高次の領域まであるんです。

堀江 低次の領域と高次の領域って、どういう概念なんですか?

竹田 簡単に言うと、情報処理が進む方向です。例えば、視覚の場合だと最初に眼球の網膜に情報が入りますよね。ここが一番低次なんです。視神経を通り頭の後にあるV1(一次視覚野)に到達しても、まだ低次です。

堀江 fMRI(磁気共鳴機能画像法。脳の活動量を視覚化する方法のひとつ)とかで見たら、脳が活動してる場所がそのまま見えちゃったりするんですよね。

竹田 ええ、そうです。そこから耳の後あたりを通ってV2(二次視覚野)、V4、TE野(側頭葉の一部)へと流れていきます。流れの先に行くほど、高次の領域なんです。

堀江 なるほど。

竹田 高次の領域になるほど、担っている処理もどんどん抽象化されていきます。例えば、最初の網膜は光っているか光っていないか、V1ではその光がつながって線があるかどうか、線はどういう傾きかを判断しています。さらに先にいくと、それが具体的に何なのか処理します。コップなのか、人の顔なのか、マイクなのか……というふうに。視覚的な記憶を思い出すには、これとは逆に高次の記憶から低次の記憶へと情報が流れる事が必須なんです。

堀江 高次の領域で抽象化された情報がV1まで流れていくんですか?

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その3に続く

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Photograph/Edit=柚木大介 Text=村上隆保

竹田真己(Masaki Takeda)
順天堂大学大学院医学研究科特任講師(当時)、神経科学者。1976年生まれ。静岡県出身。2005年、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了後、東京大学大学院医学系研究科特任講師を経て、現職に。