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【頭専門揉みほぐし店『悟空のきもち』代表 金田淳美が語る“人気軸”経営とは? その2】

堀江貴文氏は1月23日、悟空のきもち代表の金田淳美氏を取材。「人気軸」の経営などについて話を聞いた。(初回配信日:2017年1月23日)

自信を持っていることに特化し、それだけを提供することが重要

堀江 最初は京都にお店を出されたんですよね。金田さんは京都出身なんですか?

金田 いいえ。私は滋賀県出身です。それに、このお店をやる前は東京で仕事をしていました。

堀江 何をされていたんですか?

金田 会計士です。

堀江 会計士? 会計士から、なんで頭のマッサージに?

金田 私、ずっと経営者になりたかったんですよ。何か自分にしかできないものの経営をしたかった。でも、それがすぐには見つからなかったので、まずは経営の勉強をしようと思って、2年ほど会計士として働きました。

堀江 へー。面白いですね。

金田 最初に京都にお店を出したのは、ちょっと言い方は悪いんですが、東京って「すぐに流行にはなるけれども、すぐに飽きられてしまう」というイメージが私にはあったからです。それだと、自分がやりたいと思ったビジネスが市場でどう評価されているかわからない。それで、お客さんが一番厳しそうな京都からスタートしたんです。

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堀江 京都でスタートして、どうでした?

金田 最初は大変でした。後悔しました。お客様が全然集まりませんでしたから。

堀江 プロモーションとかはどうしてたんですか?

金田 チラシ配りや無料体験などです。それで少しずつですが、口コミで広がっていって1年くらいでなんとか回るようになりました。

堀江 1年で回るようになったのは、すごいですね。

金田 それで、1年半後に大阪に2店舗目を出したんです。

堀江 で、その後に東京。

金田 はい。3年くらい前(2013年)に表参道に来ました。

堀江 で、銀座ですよね。

金田 ええ。銀座は4店舗目になります(2016年7月オープン)。

堀江 やっぱり、『悟空のきもち』って、すごい人気なんですよね。

金田 本当にありがたいことに、お客様がSNSなどでつぶやいてくださったりして、じわじわと人気が広まっていることは感じています。ですから、私たちも平均化することなく、他店との違いをきちんと出すようにしています。

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堀江 平均化しないというのは、どういうことですか?

金田 うちのお店はお客様のご意見をほとんど聞かないんです。例えば、「頭だけじゃなくて、腰もやってほしい」とか「室内をもっと明るくしてほしい」とか、そういったご要望はたくさん出てきます。でも、そうしたお客様のご意見をあまり聞かない。

堀江 へー。それは、なんでですか?

金田 今はネットでなんでも調べられる時代です。もし、「腰もやってほしい」とか「室内の明るいお店」という希望があるならば、そういったお店をご自分で探すことができます。それから、いろいろなお客様のご要望を聞いてしまうと、平均化してどこにでもある普通のお店になってしまう。そうではなくて、私たちは“自信を持っていることに特化して、それだけを提供する”ことが重要だと思っていて、それが経営戦略のひとつでもあるんです。

堀江 なるほど。だから、うまくいってるんでしょうね。

金田 もうひとつの経営戦略として、「シェアの拡大」とか「単価を上げて利益を上げる」ということはしない。それよりも“人気軸”を重視しています。

堀江 人気軸?

金田 はい。どうやって人気を上げるかということです。私たちは今、広告費を一切かけていません。求人も出していません。

堀江 広告費を出していない?

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その3に続く

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Photograph/Edit=柚木大介 Text=村上隆保

金田淳美 Atsumi Kaneda

頭専門揉みほぐし店『悟空のきもち』代表。2008年に日本初の頭専門揉みほぐし店『悟空のきもち』を京都・四条河原にオープン。2010年には大阪・心斎橋に2号店を誕生させた。その後、東京に進出し、2013年に表参道に、2016年に銀座に展開。現在、3ヶ月先まで予約が埋まっており、キャンセル待ちは全店舗合わせて約9万人(2017年1月現在)という。