株式会社Cardio Flow Design(本社:東京都千代⽥区、代表取締役:⻄野輝泰)が提供している『iTSimulation』(心臓手術シミュレーション)が、スーパーコンピューター『富岳』の産業試行課題に採択された。
心臓外科手術シミュレーションの高速化の実現へ
『iTSimulation』は国内外の医学研究者に対し、CT画像を元に血流のシミュレーションと可視化を行い、最適な手術を提案するサービス。クラウドにアップロードされたCTデータを元にコンピューター上で仮想手術を行い、手術後の血流の状態をシミュレーションするものだ。
しかし、シミュレーションではコンピュータグラフィックス、数値流体解析、3Dモデリングといった技術を応用し計算するため、計算量が膨大に。その結果、従来では解析期間に1~2ヶ月を要していたという。
ところが、 世界一の性能を誇っているスーパーコンピューター『富岳』 の産業試行課題に採択されたことで、『富岳』を計算に用いることが可能に。以前は1~2ヶ月 かかっていた解析期間が、数時間程度になると考えられている。
さらに、今回の心臓外科手術シミュレーションの高速化が実現することで、先天性心疾患の分野における最適な手術の提供や、術後の患者QOLの向上にも繋がる可能性がある。
『iTSimulation』とスパコン『富岳』が組み合わさることによって、心臓外科医にいち早く最適な手術計画を提供できるようになる未来はそう遠くない。そうなれば、循環器科や心臓血管外科の診断・治療においてイノベーションが起こるだろう。
株式会社Cardio Flow Design
「血流解析で医療を変える」をミッションに、血流から診断が行える世界を目指し、医師2名が創設したベンチャー企業。血流を解析することによって、患者の将来起こりうる疾患の予想や、手術計画に応用することで、循環器科や心臓血管外科の診断や治療にイノベーションを起こすことを目的としている。