BUSINESS

AI時代に選ばれる「新しい現場職」とは何か──介護美容という職能の拡張

人が人に触れる仕事の再評価

株式会社ミライプロジェクト(東京都渋谷区 代表取締役 山際聡)が運営する高齢者向け美容専門スクール「介護美容研究所」は、全国6校にて来校型のキャリア相談会を開催する。背景には、同スクールへの問い合わせ増加と入学者数の拡大がある。

近年、職業選択の基準は変化している。デジタル化と自動化が進むなか、効率性と同時に「代替されにくさ」が職能評価の指標として意識されるようになった。こうした状況の中で、対人ケアを前提とする仕事の価値が改めて捉え直されつつある。

介護美容は、高齢者に対する美容ケアを中心に据えた専門領域である。美容と介護の双方にまたがる技能を扱うこの領域は、単一資格の延長ではなく、複数の専門性を組み合わせた職能として位置づけられている。

需要の変化とキャリア選択

スクールの入学者数は近年増加している。背景には高齢社会の進行と、働き方に対する価値観の変化があるとみられる。特に異業種からの参加が多い点が特徴である。

事務職や接客業など、これまで対人ケアを主業務としていなかった層が、新たな専門性の獲得を目的に学び直しを行う傾向が確認されている。単なる転職準備ではなく、職能の再定義としての側面を持つ点が特徴である。

多くの参加者が志向するのは、機械化が難しい対人技能の獲得である。状況判断、対話、身体的接触を伴うケアは、個別性が高く、画一的な手順に置き換えにくい領域とされる。

施術を超える観察と対話

介護美容の実務は、外見の整容に限定されない。利用者の体調や心理状態を観察し、適切な関わり方を選択する過程が含まれる。時には施術よりも対話が優先される場面もある。

この点において、介護美容は「美容サービス」でも「介護補助」でもなく、生活支援的なコミュニケーション技能を含む複合職として理解される。提供価値は結果の見た目だけでは測定できず、関係性の形成に依存する側面が大きい。

新しい現場職としての位置づけ

従来、現場仕事は体力的負担や代替可能性の高さと結びつけて語られることが多かった。しかし近年は、対人対応能力や状況判断能力が評価対象として浮上し、職能の意味合いが変化している。

介護美容は、専門技能とホスピタリティを統合した職域として形成されつつある。就職だけでなく、訪問型の働き方や独立的な活動も視野に入る点が特徴である。

受講者の中には、現場経験を積みながら将来的な独立を志向する者もいる。ここでは技能習得が資格取得ではなく、役割獲得として捉えられている。

キャリア形成の多様性

世代によって動機は異なる。長期就業を見据えた技能取得、家族介護経験からの関心、社会参加の再設計など、多様な背景が存在する。共通しているのは、自らの手で価値を提供する実感を求める点である。

この領域では、専門職としての位置づけと生活支援的役割が重なり合う。単一の職務範囲に限定されない柔軟性が、参入の動機となっていると考えられる。

会社概要
株式会社ミライプロジェクト
所在地:東京都渋谷区神宮前1-15−15 タガミ神宮前ビル2F
設立:2015年11月19日
事業内容:介護・医療関連職の人材紹介事業、介護×美容の人材育成事業、訪問美容事業、介護×美容の商品販売事業
会社HP:https://www.mirapro.net/

■介護美容研究所
スクールHP:https://academybc.jp/

ZEROICHI編集部が注目した理由

ZEROICHI編集部が注目したのは、介護美容が新規職種である点ではなく、職能観の変化を映している点である。デジタル化の進行により、効率性と同時に「人が関与する意味」が再定義され始めている。

本件は、技術革新と対立する領域としてではなく、補完関係にある仕事の形を示している。職業が機能から関係性へ重心を移していく過程を読み取る事例として位置づけられる。

働き方の再設計という視点

職業選択は収入や安定性だけでなく、提供価値の実感によっても決定される。対人ケアの領域は評価が難しい一方、個別性が高い。そこに専門技能としての体系化が進むことで、新たな職域が成立している。

介護美容の広がりは、新しい職種の誕生というより、既存の仕事の意味づけが変化していることを示しているといえる。

■原文リリース(参照)
原文リリース発表日付:2026年2月4日
タイトル:【3年で3.4倍】AI時代に伸びる”新しい現場職”「介護美容」 年間1,200名が選ぶ、介護現場の新しい担い手
原文リリースのURL:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000025369.html

※本記事は、原文から一部編集・要約して掲載しています。
誤解や偏りが生じる可能性のある表現については、原文の意味を損なわない範囲で調整しています。