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【星野佳路と堀江貴文が竹富島で語った“若者の旅”の未来とは?その3】

堀江貴文氏は8月11日、星野リゾートの星野佳路氏を取材。「若者の旅」の未来などについて話を聞いた。(初回配信日:2014年8月14日)

東北だってあれだけ空港があるんだから、若い人だってLCCで安いなら行こうって考えますよね

星野 天草は行ったことありますか?

堀江 天草は1回、行ったことありますけど、天草エアじゃなかったです。僕、ホテルのアドバイザーをやってるのご存知ですか?

星野 いえ、知らないです。

堀江 僕、広島県の尾道から選挙に出たんですよ。

星野 覚えています。亀井静香さんと戦った時ですよね。

堀江 その時の支援者の方が保有している『ベラビスタ境ガ浜』っていうリゾートホテルがあるんです。ちょうど境ガ浜マリーナの上にあって、瀬戸内海の景色が綺麗に見えるんです。JIA環境建築賞最優秀賞などを受賞した建築家の中村拓志さんが設計したチャペルがあったり、プールサイドでディナーが食べられたり……。

星野 何室くらいあるんですか?

堀江 50室くらいじゃないかなあ。そのホテルのアドバイザーを僕がやっていて、今度、マリーナに日本初の水上飛行場を作ろうとしているんです。

星野 それはいいですね。

堀江 広島空港や神戸空港、福岡空港などから、セスナの水上飛行機を使って短時間でアクセスできるようにしようと。それから、そのマリーナの沖合には瀬戸内海の島がたくさんあるんですけど、そのホテルは無人島も持っていて、そこでバーベキューをやったり、DJイベントなんかもやろうと思ってるんです。広島空港から水上飛行機で飛んで、無人島の横につけて、それでバーベキューなんかをやってホテルに戻ってくるみたいなことを……。

星野 それは、いいなあ。実はね、離陸も着陸も両方水上からというのが一番いいんですよ。湖だと着陸料とかいらないし、どちらか一方が普通の空港だと発着に時間がかかって大変だしね。湖から湖とかだったら車輪がついていない飛行機で行けちゃうんですよ。僕はね、そのポテンシャルが日本にはあると思っているんです。

堀江 ここでもやりませんか?

星野 やりたいですけど、ここは波があるので。水上飛行機は広い川とか湖とか、波がないところに向いているんです。僕が知っている国で、一番水上飛行機の移動が進んでいるのはカナダですね。カナダの北の地方では、魚釣りに行くのに川に留めてある自家用の水上飛行機に乗って、少し離れた湖や川に行くんです。実は日本もそういう環境はたくさんあるんですよ。でも、いろいろな規制があってできない……。

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堀江 今だったらできそうじゃないですか。オリンピックまでにやろうって(笑)。

星野 水上飛行機特区(笑)。でも本当に、十和田湖とか猪苗代湖とか、ああいう大きな湖に飛べたら、すごくいいなって思いますよ。隅田川だって、全然、飛べますしね。滑走距離はそれほど必要ないんですよね。簡単に離陸できますし、簡単に降りられる。飛行機にすごく大きな浮き袋をつけているようなものなので、非常に便利だと思いますよ。

堀江 もったいないですよね。

星野 本当にもったいない。また、それとは別に日本には98の空港があるのに、それを使いきれてませんからね。

堀江 やっぱりLCCの課題は、パイロット不足ですかね。

星野 海外では、旅客航空機の免許を持っている人は、世界のほとんどの国で運転できるんですよ。でも、日本の場合は、日本の免許を取らなきゃ行けない。それを海外並みに緩和するだけで、だいぶLCCにとってはありがたいですよね。

堀江 LCCが日本中に就航したら、すごいでしょうね。インドネシアとかすごいみたいですよ。

星野 今まで飛行機に乗らなかった人たちが乗るようになるので、すごい効果があるんですよ。これまで沖縄になんか行かなかった人が「LCCで安いなら行こうか」と考えますからね。北海道もそうだし、東北だってあれだけ空港があるんだから、LCCさえ来てくれれば大きなチャンスになる。若い人だって、もっと旅に出るんじゃないかと思いますけどね。

その4に続く

星野佳路(Yoshiharu Hoshino)
星野リゾート代表。1960年、長野県軽井沢生まれ。慶應義塾大学卒業後、米・コーネル大学ホテル経営大学院に。日本航空開発、シティバンク等を経て、1991年に星野リゾート代表取締役に就任。その後、山梨県のホテル「リゾナーレ」や東北最大級のスキー場「アルツ磐梯」を再生させる。2003年、内閣府・国土交通省の「第2回観光カリスマ」 として選ばれ、現在、日本の観光産業振興のカギを握る経営者として注目されている。