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「いかに太らせるかではなく、いかに4つの胃を健康にするか」【尾崎牛生産者・尾崎宗春氏が語るブランド牛の作り方 その4】

堀江貴文氏は2月8日、尾崎牛生産者の尾崎宗春氏を取材。「ブランド牛」の作り方などについて話を聞いた。(初回配信日:2016年2月13日)

普通は27カ月のところ、尾崎牛は30カ月飼育する

堀江 尾崎牛は「すき焼きにするとアクが出ない」って言いますが、それはどういう理由なんですか?

尾崎 ひとつは粉炭を使っているから。備長炭の一番良いのを使っています。

堀江 あ、そうなんですか。

尾崎 うちの飼料は発酵飼料でしょ。だから発酵が進んで二次発酵すると腐ってしまう。そのために一次発酵の状態の時に牛にあげなきゃいけない。普通の牧場は餌が残っていても、そのまま継ぎ足しちゃう。でも、うちは二次発酵してしまうから、残ったものは全部捨てる。そして、毎日掃除するわけです。それで、その餌をしっかり保たせるために粉炭を入れている。普通の牧場は、餌を持たせるために防腐剤を使うんだけど、うちは防腐剤を使いたくないので。

堀江 なるほど。

尾崎 でも、粉炭はやりすぎると脂も全部吸収して牛がやせてしまうから、何%入れるかを探るのに5年かかりました。

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堀江 へー。

尾崎 それから糞も臭くなくなりましたね。

堀江 消臭効果もありますからね。

尾崎 あとは、海藻。普通の和牛は27カ月くらいでお肉になる。700kgになって霜降りも十分に入るんだけど、自分で食べてみたら30カ月くらいのほうが、肉質と味が一番安定していて脂の融点も低かった。だから、尾崎牛は30カ月飼おうと。でも、30カ月飼うと肉の味は充実するけど老化現象が起こる。そこで、老化現象を防ぐにはどうしたらいいかという勉強をしたんです。

堀江 アンチエイジングの(笑)。

尾崎 ええ。それで長生きしている人間を調べたら、北海道でも沖縄県でもみんな海藻を食べていた。じゃあ、海藻を食べさせようということで、どんな海藻がいいか探していたらノルウェーにアルギニン酸を多く含んだ海藻というのがある。ノルウェーは海洋汚染が少ないので、これがいいんじゃないかということで、その粉末を餌に混ぜたんです。

堀江 どうなりました?

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Photograph/Edit=柚木大介 Text=村上隆保

尾崎宗春(Muneharu Ozaki)

「株式会社牛肉商尾崎」商主。1960年生まれ。宮崎県出身。高校卒業後、1980年に宮崎県農業試験場肉畜支場に入場。1982年、畜産の勉強のため渡米。1984年に帰国。 1992年「有限会社 尾崎畜産」2012年「株式会社 牛肉商尾崎」を設立。現在、「尾崎牛」は、和牛ブランドとして高い人気を誇っている