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「培養肉」に 「ひも状組織」【東大生産研・竹内昌治氏が語る “細胞でのモノ作り”とは?その4】

堀江貴文氏は9月14日、東京大学生産技術研究所の竹内昌治氏を取材。「細胞でのモノ作り」などについて話を聞いた。(初回配信日:2015年9月18日)

筋肉組織を作るには、細胞の筋トレが必要

竹内 “面形”というのは、これです(シート状になったものを見せる)。細胞の大きさは10ミクロン(=0.01mm)なので、1mmの大きさのものを作るだけでもひと苦労です。

堀江 そうですよね。

竹内 これは筋肉の組織を作ったものです。どうやって作ったかというと、シート状の筋肉組織をどんどん重ねていくわけです。

堀江 なるほど。

竹内 筋肉の細胞は培養すると力が集まってきちゃんですよ。筋肉なので(笑)。そうすると、どんどん小さくなって固まってしまう。固まってしまうと何をしても動かないんです。だから、一方を留めておいて組織を広げながら培養する。でも、ときどき刺激をしてあげないとダメで、先ほどお見せした弓のような機械で組織を伸ばしたり縮めたりする。筋トレが必要なんです(笑)。

堀江 その延長線上に、培養肉があるわけですね。

竹内 そうです。オランダのマルク・ポスト教授は「これでステーキができるんじゃない?」と言っていましたが、私は日本人向けに刺身とかができたらいいなと思っているんです(笑)。

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Photograph/Edit=柚木大介 Text=村上隆保

竹内昌治(Shoji Takeuchi)

工学博士/東京大学生産技術研究所教授/ERATO竹内バイオ融合プロジェクト研究総括(当時)。1972年生まれ。東京都出身。1995年、東京大学工学部卒業。2000年、東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。ハーバード大学客員研究員などを経て、2008年、東京大学生産技術研究所バイオナノ融合プロセス連携センター・センター長に。2014年、東京大学生産技術研究所教授。